いつもの年より雪が少ない分、雪解けもぐんと早まっている村。それでも、わがたんぼはごらんのようにまだ雪があり、ただいま最後の雪解け真っ最中。
休日は、身内の法事にでかけたり、冬囲いをやっと解き終えたり、転作わらびに鶏糞を施したり、雪解けの進み具合にあわせてたんぼの水切り泥上げに少し手をかけたりで、たちまちのうちに過ぎました。
たった6ヶ月後にはまたやってくる冬をひかえて、雪のない季節にやってしまわなければならないことに精を尽くす「仕事なら、なんぼもある」、雪国の雪のない半年がいよいよ人里でははじまりです。
深山も雪消えが進み始め、ザーザーと勢いを増した瀬の音が仕事部屋まで聞こえてきます。本格的な雪解け濁流が始まりましたから、瀬の石底では卵をいっぱいにしておなかをふくらましているカジカが、まもなくの産卵にそなえているでしょう。
子供の頃から親しんできた河川敷の自然公園もきのうまでに雪がほとんどなくなり、柳の倒木にはユギノシタキノゴ(エノキタケ)がちらほらと目につくように。おかげさまで、新鮮な天然きのこの味噌汁をしばらくは途切れずいただけるでしょう。
ここの湧水脇にあるワサビは、数年採らないでいたら数を少しずつ増しています。もうしばらくそのままにしておいて植生をひろげた何年後かに少しいただこうと思っています。ただし、これはそれまでに大洪水がこなければという条件つきです。
チャワンバナコ(キクザキイチゲの仲間たち)は、土壌成分や日当たり具合など植生地のちがいによって色も様々。河川敷には、ひときわ色鮮やかな花の群れがところどころにあり、そういう美には、やっぱり歩みを止めてながめてしまいます。
▼今朝になったら、天気予報どおりにうっすらの雪景色。先日の沖縄は30℃をこえる真夏日、北海道でなくてもこちらの今朝はマイナス1℃。同じ列島で30℃近くも気温のちがう真夏と冬が同居する「ここは、なんと不思議、神秘の国」を実感する春です。