湯沢雄勝地域農業委員合同研修会が羽後町五輪坂温泉「としとらんど」で開かれました。今年で5回目を数える集いで、地域の委員が情報を共有交換し合い、絆を深めるうえで、研修・交流をはじめた当初のねらいどおり貴重な行事のひとつとなっています。
今年は県農業会議事務局長(県から派遣されている美郷町・千畑出身の皆川知氏)を講師にむかえ、法改正され来年4月施行の農業委員会制度改革について講演していただきました。
委員の「公選制」が廃止され、改選任期までは現職委員の体制で委員会が運営されますが、その後は市町村長が議会の同意を得て任命する「選任制」へと委員の選出方法が変わります。
議会の同意を得る選出方法は他の委員などと同じですが、それまでにたどりつく過程、つまり同意を得るための名前をしぼりこむ手段、提案する名簿を決める方法が他の人事同意案件とはまったくちがい、地域推薦、団体推薦、さらに公募という手段をとらねばならず、ほかにも構成についての条件がいくつかあります。
改正法にもとづく政省令があきらかになるにつれ、これまでの公選制と議会や農業団体からの推薦で委員を選出する方法に比べ、考えれば考えるほど公平性などでも多くの懸念が予期され、選出後の会の運営なども、「実に複雑怪奇な内容をはらむ制度」になったと私はとらえています。
選出制度も大きく変化、そしてTPP大筋合意という最悪の結果をうけ、農業委員会はまさに戦後最大の農政激動の中で農業者の代表としての役割を果たさなければなりません。研修会も、その後の交流会でも、こういう政治のうごきのなかで「地域農業をいかに守り、振興させるか」われわれがしっかりしなければと、意思をかためた半日でした。
「改正法の全体像がよくわかってよかった」という話を会場で委員さんたちからお聞きしました。わかりやすく説明いただいた皆川事務局長さんに、ここからも再度お礼を申し上げておきます。時宜にとてもかなった研修会でした。