イワウチワ(チヂザグラ・土桜)咲く

28日午後、先週の19日に通った地元・沼又沢のチヂザグラ(土桜・イワウチワ)群生地へ「今度は花が開いたはず」とちょっとの散策に向かいました。

4月下旬から5月にかけての陽気とはちがってお天気は快晴でも気温は上がらず、この日は特に肌寒し。渓流は午後になっても本格的な増水濁流とはならずのままです。

それで、いつものように沢への倒木が丸木橋のようになっている箇所を渡り、イワウチワ群生地のブナの森斜面へ上がりました。

予想したとおり花は開き始めていました。でも咲き始めたばかりで、群生地一面が花群落を見せるような光景にはまだならず、あちらに1~2輪、こちらに2~3輪とぽつぽつの花景色にとどまっています。もう4~5日も経てばかなりの花群落へと地面の様子はにぎやかになるでしょう。カタクリもつぼみの数株が道脇にみられました。

沢には相変わらず雪崩が落ち続けています。雪崩によって斜面から運ばれた土が雪の上にかさなっています。毎年これだけの栄養分豊かな土が積み重なるわけですから、雪崩の下には、ほかの地面よりもより上質の山菜が育つわけです。

村内の国有林で、雪崩のおきる斜面のまわりはいずこも一面がブナを主とした落葉広葉樹の林です。そこではブナに混じって急勾配尾根筋や斜面の所々に高樹齢のミズナラ大木があります。

雪消の春、芽吹き前の残雪の春山を歩けば木の葉に視界が遮られずにそれらミズナラの在りかがよくわかります。その中には秋に最高級キノコのミャゴ(マイタケ)の発生する木もあり、発生しやすい特長をもった幹があれば私は記憶にインプットしておきます。私の残雪渓谷・春山歩きは秋の楽しみも準備する山行、散策なのです。

20日にご紹介したカモシカの死骸は、もう皮も、骨も、なんにもなくなっています。皮には脂肪がついていますし、生きものたちは鋭い歯とアゴの力で骨をかみ砕き髄まで食べ尽くします。あのカモシカも、そのようにしてわずかの毛を残してすべてが生きものたちの糧となったという、これはその証です。