冬を越すには水がなければ

特別豪雪地帯の村はこれからおよそ4ヶ月、雪を除ける暮らしが続きます。

その雪除けで大きな役割を果たすのが、大小の川から取水して道路の流雪溝に用いられる水です。この水は農業用水や生活用水と兼用されます。村ではほかにも地下水をくみ上げて村道消雪をしたり、一部の生活道路では農業・生活用水を流水にして雪消しにも利用しています。

それぞれの家々では雪消しに水をさらに利用します。池に雪を除け落として解かす家はもっとも多く、雪消し用にと地下水を独自にくみ上げる家も近年はちらほら見えます。

流雪溝が利用できないわが家の雪消し役は、2つの池の水とそれを道路に流す水。そして近くの沢を流れる水です。豪雪地帯での水は、生命をつなぐだけでなく、人々の冬の暮らしをいろんな方面でささえるとっても大切な役割も果たしているのです。これから降雪が落ち着く3月いっぱいまで、自宅に入る道へは水を流し続ける日々となります。

▼きのうはうれしいニュースがありました。村内稲作農家のつくったあきたこまちが、「美味しい〃あきたこまち〃コンテスト」で最優秀賞に選ばれたのです。

受賞されたのは、わが集落の佐々木喜久藏さん(73歳)。県内のあきたこまちの品質、食味を競うコンテストで、82の個人や団体から出品されたなかでの栄えある最優秀賞です。最優秀賞の佐々木さん、優秀賞4人のあきたこまちは、県内スーパーや都内において数量限定で店頭に並ぶ予定のようです。

佐々木さんは村の農業委員で、作業受託をふくめ地域の担い手農家として妻と二人で稲作に励んでいる方です。村消防団の副団長でもあり、遭難者の捜索活動では私も行動を共にすることがよくあり、また狩猟でもクマ猟をはじめ長年山歩きをいっしょにした方でもあります。そういうこともあって、ニュースをとってもうれしく受けとめました。佐々木さんおめでとうございました。

清流と寒暖差の大きい気候、土壌条件などもあってでしょうか、村産のあきたこまちが「ひときわおいしい」ということはよく聞くこと。平野部のりんご栽培のある篤農家の方が私に「同じあきたこまちでも、あんだのこまちは特別なので、毎年、正月用としてほかのこまちとは別にして食べることにしている。」と私に語りました。自分のつくったあきたこまちがこんな話題とされるのはうれしく、働く励みになるものです。おそらく村でお米作りをされている方は同じような体験がみなさんあるのではないでしょうか。村のこまちのおいしさをこの機会にまた広くPRしたいですね。