村でたった一つのりんご園

村の郷土誌によれば、昭和31年頃には、菅生田から草ノ台までの9集落戸数99戸で約20㌶近い樹園地で栽培されていた「りんご」を主とする村の果樹。それが、今年には園地と呼べる状態で栽培されているのは滝ノ沢の1戸だけになっています。

歴史に深く刻まれるあの48豪雪やその後の幾度かの豪雪による被害、それに、栽培の後継者がいないことなどにより生産農家が減り、生産組織や病害虫の防除組織の維持も困難になり、それらの原因が重なっての栽培農家激減でした。

そうした中、数年前から孤軍奮闘、村で最後のりんご栽培農家となっているのがSさんです。Sさんはこちらの定時制高校の一年上の先輩です。

豪雪の歴史に耐え、いまSさんの樹園地に残っているりんごの木はおよそ20本ほど。りんごは初冬に収穫がはじまる「ふじ」です。

写真は27日に撮影したのですから、もうもぎ取りも終わった頃でしょうか。寒暖の差の大きい土地のりんごですから、味はすこぶる上等のふじと思われます。最後の樹園地のりんごと思っただけで、おいしさがさらに増すような気もしますね。