ブナとミズナラの森の幸(その三)

ブナとミズナラの森の幸、その三の主役はノギウヂ(ヌケオチ、エゾハリタケ)です。

8月22日、カオをだしたばかりの幼菌を見置きしていて(8月24日付のブログに記載)、それからおよそひと月後に向かったら、エゾハリタケはちょうど採り頃の大きさに生長していました。採らずにこのままにしておけば、さらにもう一回り大きくなるはずです。

エゾハリタケとしては最良の品質に入る株で、こんなに長く連なった大きな株とはなかなか出会えぬもの。発生箇所は幹の少し高所ですが、そばの枯れ木を立てかけてハシゴ代わりに足場をつくり、ナイフで切り込みを入れ、片手でグイッと引きはがしての採取です。

このエゾハリタケ、わが集落ではマイタケやシシタケと同じ価値がつけられ、直売所でもこのキノコの「珍味」を知る方々からは引く手あまた。マイタケやシシタケよりも発生箇所が限られているので、時にはそれらのキノコを上回る高い価値をもつキノコなのです。

わが家では、これに重曹を加えて煮て軟らかくし一夜味噌漬けにしたり、長期間蓄える味噌漬けにもします。漬け込まれて飴色になったノギウヂは、ごはんのおかずとして、あるいはお茶うけとしていただきます。

▼ノギウヂをめざす山には、こちらが採り慣れているミャゴ(マイタケ)の生えるミズナラ大木もあります。

今年は、こちらが歩く山では全体としてマイタケは並み作かやや不作気味という按配。きのうは過去に採取実績のある10数本のミズナラを巡り歩き、2本のミズナラでマイタケと出会うことができました。3連休でみなさんが歩いた後でしたが、よくどなたの手にもかからず残っていたものです。

そのうち「これが今日締めくくりのミズナラ」とめざした最後1本の大木には10個を越える成菌と幼菌が、「これぞマイタケ」という真っ盛りの姿で我々を待っていてくれました。きのうは、山行を約束していたAさんといっしょのブナの森歩きでした。歩きの最後に、山神様からAさんへのうれしい撮影ご褒美となったわけです。

ブナの森には、サモダシ(ナラタケ)やカノガ(ブナハリタケ)、ヒラタケもちらほらと見られました。晴天が続いたのでここ数日間の山歩きで背にしたマイタケ、シシタケ、ブナハリタケなどキノコはみんな水分が少なく、一定量を背負っても荷は軽し。ただし、きのうのノギウヂ(エゾハリタケ)だけは、特有の厚みでどっしり感があり、普段とあまり変わりのない重さでした。

▼広域市町村圏組合議会の臨時議会が月末にあり、朝には提出議案の説明を受けます。その後に今日は稲刈りを始める予定で、きのうはその準備にもとりかかりました。