ブナとミズナラの森の幸(その二、マイタケ)

18日、今度は主にミャゴ(マイタケ)をめざしてミズナラ大木とブナの森へ入りました。

もちろんやたらに山を歩くのではなく、過去に一度でも出会いのあったミズナラ老樹に向かいます。それらの木にも、何十年もの間マイタケが毎年カオを出す根元もあれば、何年かの間隔をおいて稀に大発生する根元もありと様々です。中には寿命となりマイタケ菌に長年冒され倒れてしまった木もあります。

この日めざしたミズナラの幹は10本ほど。そのうち発生していたのはたったの1本で、これは幼菌、成菌と見事な株がずらりと重なり並んでいました。この大木では、運がよければ(先行の方がいなければ)何年かに一度こんな場面に出会えることがあります。

今年この幹は大豊作というわけです。この幹の根元だけでおよそ16㌔㌘。老菌ではなく幼菌と成菌でこれだけの量が出ている場面にはなかなか出会えないものです。一番大きな株は3.5㌔㌘ほど。まだ生長途上なので、もう少し経てばこれなど1つの株で5㌔ほどにはなったでしょう。

別にあった倒れた幹の根元には早くカオを出し老菌となってしまった株もいっぱい。根元を腐らし土に戻すまで、マイタケ菌は枯れて倒れた幹を分解し続けますから、あと何年かは横たわったこの木からもマイタケをいただけるというわけです。

老樹のミズナラを腐らすのはマイタケのみにあらず。こちらの大好きなマスダゲ(マスタケ)も名うての木材腐朽菌(白腐れ)です。採り慣れたミズナラに向かったら、とぷとぷと耳たぶのように軟らかそうな食べ頃の姿がいっぱい見えます。マスタケ好みのこちらにとっては願ってもない幼菌との出会いとなりました。