夏日、真夏日を過ぎ、秋の気配がやや深まってきたら、いっきにキノコの仲間たちが目覚めてきました。
先に「今年は発生が遅れているし、発生量も少ない」とご紹介していたタマゴモダシ(タマゴタケ)が、なんとこの時期になってモミ乾燥機小屋脇の樹下でいっせいに顔を出してきたのです。
あきらめていたので今回はタマゴ状態(幼菌)の写真は撮り遅れましたが、このキノコ特有の真紅や朱色の鮮やかさはまだ残っています。
むかし、我が家隣にキノコ採りプロ(ハギミ)の女性の方が住んでおりました。今は亡きその方は、「タマゴモダシ」という呼び名がこのキノコにつけられていて、「昔から食っている」と語ってくれたことがありました。もしかしたら縄文のむかしから食べられていたキノコかもしれませんが、このキノコを最初に口にした太古の人は、挑戦心のかなり強い方だったのでしょうね。
タマゴタケは、美しさでも味でもAランクと多くのガイドブックは書きます。ただ、美しさは別にして、「おいしい」ということについては味覚へのとらえ方が人によって様々です。
「おいしい」の記述につられてこのキノコを口にしたことがありますが、また食べたいと思うほどのものではありませんでした。これは、私にとっては観て楽しむキノコとしておきます。
キノコを採り慣れている方なら見分けは簡単です。でも、この仲間にはやや似た猛毒種もありますから、はじめて食へ挑戦する方は入念なお心がけを。