我が家の田んぼがある方面へ通ずる道路の除雪が先日行われました。
通称カドリノ(川通野)と呼ばれるこの台地は、成瀬川が流れの向きを90度に変える角に位置し、下流から川にそって吹き付ける西北の季節風を真っ正面に受けます。そのため風下となる道路と田んぼには大量の吹きだまりができます。
今冬は豪雪だったのでここでも積雪量は平年よりやや多く、村の小型ロータリーが除雪したあとは厚い雪の壁です。
もちろん田んぼもまだ真っ白。雪の少ない地方の人々が見たら、これがあと半月たてば耕起される田んぼだとはなかなか思われないほどの残雪でしょう。今年は畦削りの時期(4月下旬~5月初め)がきても、一部では雪が残っていて早くにはできないところがあるかもしれません。
村でも雪解けの早い日向斜面や道路沿いでは、ヘリザグ(セリサク・シャクのこと)がぐんぐんと草丈を伸ばし、茎もそろそろ食べ頃に近づきつつあります。
シャクはクセの強い香りがあり万人向きの山菜ではありませんが、どんな食べものにもいえるように食通の方は「その香りが大好き」と言います。せっせと採っている方を毎年見かけますから、食の好き嫌いにはずいぶん多様さがあるものです。
シャクは我が家でもほとんど利用しない山菜で、食べるとしてもほんの一回ほどだけ。テンプラにすれば、クセはみんなどこかに消えてなくなります。「毒以外の種なら、どんな野草でも木の芽でもテンプラにしたら旨い。草も木の芽も揚げたら味はほとんど同じ」などというやや乱暴、ちょっと痛快な言葉を聞くことがありますが、シャクも香りが苦手な方は揚げ物が一番です。
▼今週初め、国道342号狐狼化坂(ころげざか)より上部の国有林そばでクマが確認されています。深山のクマたちも、子連れ以外はそろそろ冬ごもりを終え活動開始のようです。
彼らが食行動で向かうのは、ドングリやブナグリ(ブナの実)が落ちている雪消の早い斜面や里山、それにハナウドなど野草の新芽が出ている雪崩跡の急斜面や沢沿いです。昨秋はドングリもブナの実も不作でしたので、この春は新芽に集中するでしょう。