冬がどこかにいったような一日

日曜日もおだやか天気でしたが、きのうもまるで太平洋側の冬のような青空にめぐまれました。暖かな陽が射し込むガラス戸には、どこかの隙間で越冬していた蠅が動き出す姿も見られるほど。

全国各地で3月なみの気温と予報は伝えました。蠅が動き出すほどですから「啓蟄」の季節がひと月以上早く来てしまったようなうれしい一日だったわけです。

先日来の雨天により積雪の高さもだいぶ下がりました。家々の軒先に届くようになっていた屋根から下ろした雪もこれでいくらか下がりました。それでも、たとえば我が家の車庫兼農機具置き場の軒先はこんな雪状態で、今冬は軒の一部がトタン屋根ごとじわっと曲がる破損被害を受けました。

ここは落雪構造の屋根ですが、軒部分だけは雪を溜めずに幾度も下ろしていました。でも、厳寒のいっき降りで中心部に大量に溜まった雪が滑り落ちるとき、重さに耐えきれず軒先の垂木が内部で折れたようです。建築以来こんな損壊ははじめてのことです。

▼ところで、災害救助法の対象となり軒周り除排雪を済ませた家々からは、「ありがたい。これで安心できる。お礼の気持ちを関係者に届けてください。」という声があちこちを訪問する度にこちらにも寄せられています。これも、厳しい寒波がまずは一休みし、晴天がちょっと続いたおかげでみなさんの不安がやわらぎ、心に余裕をもてたからこそ出される言葉だなと感じたところです。

豪雪地方に稀に訪れるきのうのような晴れ空は、人々にとっても大きな安らぎを与えてくれるのでありがたいものです。雪降り続きの一休み、ほんの2~3日のおだやかさでしたが、これで村人は次の寒波への備え力をある程度はたくわえることができたでしょう。

先の雨天の後には村内各地で春先のようなヒラ(全層雪崩)の発生も見られました。わが集落の南の方角真向かいでも大きなヒラが落ち、すべての雪層が滑り落ちた跡に地肌が現れました。

カモシカ、ノウサギ、ヤマドリたちはこの地肌のある箇所を見逃しません。雪の下になっていた草の緑や軟らかな小柴などの食をめざし早速集まってきているでしょう。今年からは目撃情報が増え始めたイノシシやニホンジカたちがそれに加わるかもしれません。