今年最後の共同作業は冬を越すための支度。基幹となる農業・生活用水路や沿道の掃除と草刈り、公園の片付けと植木や施設の雪囲いなどが総出でとりくまれました。村内各集落でも、昨日までに同じような冬支度が済まされたでしょう。
▼立冬を過ぎた村では里への二度目の降雪が今日から明日にかけてあるようです。「二度目の雪降る前に」と、今年はまだ出会えないでいたムラサキシメジの様子を見に国道すぐそばの里山へ立ち寄りました。
このムラサキシメジ、こちらはそれほどおいしいキノコとは思いませんが、初冬に顔を出していて、紫色のキノコが列をつくっている姿には魅力を感じます。つまり、私にとっては食べるよりも冬の美しいキノコを撮るのがうれしくて向かう相手です。ハタケシメジと同じで、我が家の植木の間にも顔を出したりする、とっても身近なキノコでもあります。
里山では、気温が低くなったのを感じたユギノシタキノゴ(エノキタケ)が次々と顔を出しはじめ、やはり晩秋のカオ役ヤマドリモダシ(クリタケ)もいきいきしています。
晩生のハタケシメジも、「これから大きくなろう」と生長途上の株もまだ見られました。
エノキタケやムラサキシメジが登場するようになれば、そろそろこちらのキノコだよりはおしまいへと向かいます。根雪とならなければまだまだ彼らとの出会いは続くのですが、果たして今年の雪はどうなるのでしょうか。
その晩秋から初冬にかけて、広い範囲の地面に菌列や菌輪をつくって発生するキノコが、食毒症状例が時々あらわれるというツチスギタケです。古いガイドブックでは食べられるキノコとされていることもありますが、私はムリせずカメラへ収めるだけにしています。
そして最後は、最強の猛毒キノコの仲間に入るニガクリタケ。ナラタケやクリタケの出ている同じ広葉樹や針葉樹の根元や倒木などに並んで発生していることもあり最も用心の要るキノコの仲間です。生でかめば苦みを感じます。まちがって万が一食卓にあがっても苦みを感じたら「食べ方、すぐやめ!」をよくおぼえておくとよいでしょう。
こんなに小さな形ながら死亡例が全国で時々あったキノコで、東北でも、一家の何人もの命を奪ったこともある猛毒種なのです。色も黄色を軸に濃淡様々、オールシーズンみたいに長い期間発生していますから、ほんとに気をつけたいキノコとして載せておきました。
最後は、キノコたちのそばにあった初冬のアケビです。めずらしやこの季節のアケビ。晩晩生ともいえる冬の訪れにやっと完熟した実は、とっても甘さの濃いすぐれものでした。