たんぼの水見(みずみ。たんぼにちょうどいい具合の水が入っているか、主に朝夕の二回見回ること)にでかけたら、水路わきの土手に熟れたモミジイチゴのオレンジ色の実がぷらんぷらんといっぱい。この木イチゴは、酸味が少なくやわらかな甘さが特徴です。
妻がきのう、「ネムの花っこ、咲いたがら、梅雨だ」と言いましたが、モミジイチゴが熟す時もちょうど村が梅雨の頃となります。
桑の実が熟すのも今。ということは、こちらが小学生のワラシ(童)の頃、近所の遊び仲間と近くにある桑畑に行き、養蚕で大事にしていた大きな桑の実の成る木(ダテカンゴなどと呼んだ木)にしょっちゅう上がったのも今の頃。
樹上でそれぞれ空き瓶に実を詰めていたそのとき、木の下に突然桑の木の持ち主の怖いおばさんが現れ、ロープを片手に「コラーッ、この、ゆぐねぇ(悪いことをする)、ワラシだぁ」と叫ばれ、びっくりして木から飛び降り、逃げる途中にそのうちの一人が畑にあった大きなドンベ(人糞を蓄えている穴)に落ちて大笑いしあったのも、ちょうど今の頃ということになります。このときの可笑しさは、どんな喜劇も負けらかすかも。
木イチゴも、カンゴ(桑の実)も、人の子の手で摘み取られることはほとんどなくなって久しいのですが、野のいきものたちは、その分、ゆっくりと梅雨時の野の幸をごちそうになっているのでしょう。
▼きのう、赤い鳥のボケ写真を載せたと思っていましたが、あんまり小さくて、なんにもわからなかったようです。それで、ボケをアップしてまたとりあげてみました。
今度は、ボケ具合がよくわかるでしょう。それに、私にとって「まぼろしの鳥、神々しき鳥」というアカショウビンに寄せるこちらの熱きあこがれが、赤い鳥の姿がはっきりしていないだけに、なおのこと察していただけると思います。また、いつか、出会える機会を楽しみにしています。
その赤い鳥、今朝など、まだ薄暗いうちの3時50分、「キュルルルルルーン」の鳴きの繰り返しを床の中で聴きました。