アカショウビン、神々しき小鳥の声で目覚め

DSCF4522-1DSCF4518-1朝4時、窓の外が白んでくると、決まって「キュルルルルルーン、キュルルルルルーン」と鳥の鳴き声が聞こえ、この頃はその鳴き声で私は目覚めます。

妻が「あっ、アカショウビンの鳴き声」と言います。そうです、一週間ほど前から、わが家のそばにおそらく棲みついているのでしょう、アカショウビンの鳴き声が朝に長く、昼、夕は短くと続いて聞こえてきます。

おとといの日中、妻と薪割りをしていたら、やはりまた「キュルルルルルーン」の声がすぐそばで聞こえました。今度も妻が、「あっ、今、アカショウビンが飛んでいった」と言います。たまたま妻だけの目に赤い鳥の姿がはいったのです。それでこちらは作業を中断、カメラを手に鳴き声のする方向に歩き寄りました。

けれども、声は聞こえど姿はみえず。しかも、声はふたつの方向から聞こえますから鳥は二羽。結局、声の方角に寄っては姿が見えずで引き返しを2度ほど繰り返し、ついにあきらめて帰ろうとしたそのとき、遠くの木の葉陰のなかに濃いオレンジ色がポツンと見えます。「おかしいな」と立ち止まったら、そのオレンジが葉に隠されながらもわずかにうごきました。「ん、アカショウビンだな」と、鳥の全体像はほとんどわかりませんでしたが、そのオレンジにむけて2~3枚シャッターを押しました。

葉がじゃまになって、全体の姿を見せぬまま、オレンジはすぐに私の視野から消えてしまいました。

妻のそばにもどったら、「別のアカショウビンが、さっきと同じ方へ飛んでいったよ。赤くて、大きかったよ」と言います。カメラをもつ私には全体像を見せず、妻には、2羽とも飛ぶ姿を見せてくれたアカショウビン。そのうちの1羽がたまたま葉を陰にして私に見せた一瞬、ボケたオレンジ姿の写真だけはわが手元に残りました。私にとっては幻のような赤い鳥アカショウビン。このボケ写真から、あのすばらしい赤い鳥を想像してみて下さい。

南のくにから渡り来るアカショウビン。わが村でみられる小鳥で、これほどに音楽的な鳴き声を聴かせてくれる小鳥はアカショウビンをおいて他にはいないでしょう。それに姿の神々しさもこの小鳥は他の追随を許さず、私にとっては崇めたいほどにあこがれの鳥です。

つがいで私の家のそばの林を住み処にしているのでしょう、今朝も、また、神々しき彼らご夫婦のキュルルルルルーンの声を聴きながら床を抜け出しました。