山の脇役も登場

10日ほど遅れて盛りとなった今年の秋キノコたち。今日は違った顔ぶれの登場です。

最初にご紹介するのはカノガ(ブナハリタケ)。名前通りブナにとりわけ多く発生するキノコで、ブナの森の象徴的なキノコともいえます。

倒木や立ち枯れ木でよく見かけるのですが、写真は、立ち枯れ木の幹が折れてしまった根元に発生したもの。ブナハリタケとしては品質一等級の生長姿です。

二つ目のキノコは里山のシトリテデ(ウラベニホテイシメジ)。毒キノコのイッポンシメジとよくまちがえられるキノコです。先日の県内、「ハタケシメジと間違えて直売所で売られ、購入した方が中毒」との報道があった毒キノコのクサウラベニタケとも間違えられる食キノコです。

食茸のウラベニホテイシメジと毒のイッポンシメジは茎が充実し似ていて判別がむずかしく、悩ましい存在のキノコです。そんなときは、噛んでみるとすぐに判断がつきます。食べられるウラベニホテイシメジは底苦く、毒のイッポンシメジは苦くないからです。

一方のクサウラベニタケは、たいがいはか弱くて前述のシメジたちより小さく、茎も空洞状ですから比較はそんなにむずかしくありません。が、どうしたわけかいつの年もツキヨタケとならんで間違われやすい毒キノコの代表格です。もしかしたら、クサウラベニタケと思われている種の中には、「もっと別の毒キノコの仲間たちがあるのかも」と思う時もあります。

3つめの丸い粒のようなキノコはホコリタケの仲間のタヌキノチャブクロです。写真のような幼菌は、皮をむけば真っ白で、味噌汁などでハンペンのような食感を楽しみます。