門松むかえ

月初めのあの大雪があったことなど、少し大げさにいえば「信じられない」ほどの寒気の緩みがつづいています。

きのうも、師走が末に入ろうとしているのに「小春日和」といえるほどの陽射しあり。縁側では冬ごもりのアネコムシ(カメムシ)がどこかから出てきて、窓越しに差し込む暖かな陽を受けて気持ちよさそうにしていました。

ただ、標高の高い県境の山々は、人里は雨でもそこは雪降りという日々となります。なので、集落からのぞむ焼石連峰の名峰サンサゲェ(三界山)などは、麓のブナがまっ白な新雪に覆われていて、きのうのような晴天時にはそれらの山々がひときわ輝きを増します。

先日は、集落のKさんが、今の季節にはめずらしく自転車のペダルを勢いよくこいでゆきました。背には松の枝をいっぱい負うています。お正月用につかう門松を採って来たらしく「松、むげぇで、したな(門松を、迎えに、行って、きたのですね)」と声かけたら「おゥ」と手をあげてこたえてくれました。

門松用の枝を採りに行くときは「松、迎えィ、行ぐ」とわが集落ではいうのです。今年も「松むげぇ」の人々の姿をみかける季節といよいよなりました。

▼きのうは商工会の年末懇談会へ。こうした集いは、経営のこと、人事管理のこと、働き手確保のことをふくめ、事業者としてのみなさんのご苦労をお聞きするよい機会でもあります。

こちらもそういう小さな事業者(父親が木材業で元商工会員)の家で長く生きてきた体験があるだけに、みなさんとの語り合いではうなずくことが多くあります。「経営」をする、あるいは従業員をかかえ「給与を支給する」というのは、ほんとに大変なことですからね。

とくに、冬の仕事が限定される雪国で、常時従業員数の多い経営体のみなさんの努力というのは並のものではないはずで、頭が下がります。語り合いでは村づくりにむけた提言も出されることがあり、この懇談会は学びの機会ともなります。