居間の障子を張り替え

師走も早半分を過ぎました。世の中のうごきは、今年やったことを整理・精算しふりかえりながら、新年にむけた計画や準備に追われる文字通り気ぜわしい日々でしょう。

師走といえばおさだまりは大掃除。わが家では、掃除のはじめにまず居間の障子の張り替えがされました。

薪ストーブを置き、こたつもある15畳ほどの居間の四方は障子戸。障子戸が規格より広く、上げ下ろしの障子(猫間障子、雪見障子ともいう)もあるためにこの張り替えは大変な作業。それはすべて妻の手でおこなわれます。今回の張り替えは居間のほかに少々のところだけ。ほかもやるとなると大小あわせて都合80枚ほどの障子戸になるので、とりかかりには相当な覚悟が必要のようです。

我が家は昔風の造りなので、居間と客間の障子戸をはずして人集まりができるようにしてあり、そこは70人ほどの小演説会をひらいたほどに間取りが必要以上に広いときます。ために、冬など、障子戸特有の隙間風もスースー入り込み、暖房に要する燃料も気密がよく整った家に比べ倍近くになります。

もっと先のことを思案して建てればよかったと今頃思っても、およそ半世紀近く前の村ではそういう住宅造りが普通でしたので「あとのまつり」というわけです。雪下ろしを要する屋根構造にそれほどの気を留めなかったこと、障子張り替えの難儀、部屋の隙間の多さ、突出したノンバリアフリー構造も含め、やがてくる我が家の「高齢化時代」を予見できなかったのですね。当事はみんな元気で、若かったですから。世の中全体も、我が家も。

さて、我が家の今は3人の子たち夫婦も含めたばこを吸う人はゼロ。喫煙のお客さんも室内ではご遠慮していただくので以前のようなたばこの煙による障子の汚れはなし。でも、薪ストーブの煙などにより障子の煤け具合はほかの家より進みが早し。なので、煤けて暗くなっていたその居間全体が、新しい障子に張り替えられたらパァッと明るくなりました。

公私、しごともふくめ人のくらしには時に少々の変化も必要なもの。張り替えられた真っ白な障子は、部屋を明るくしてくれるだけでなく、新たな年にむかおうとする人の心をリフレッシュしてくれます。「新しい」というのは、何かにつけていいものですね。

いったん1㍍以上になった積雪も、後の雨天や暖気でずいぶん深さが減ってきました。屋根など雪の消えやすいところは、雪下ろしをしなかった家もした家もほぼ同じになりつつあり「下ろさないでもよかったなァ」とつい思ってしまいます。でもそれは結果論。冬はとかく運動不足、体を動かした分プラスと思うことにします。年末年始に大きな寒波が来ないことを願うばかりですが、スキー場だけには雪が欲しいし、今しばらく例年と同じように心境複雑な日々が続くでしょう。