週末、そしてきのうの日曜と、このうえない晴れ空。里山の種まき桜も集落のソメイヨシノも、そして梅も、小花たちも、まさに花と萌えの春爛漫。
▼きのうは、秋に出来なかったコンバインの整備を農機具屋さんにたのみ、トラクターを除雪装備から耕起装備へ切り替えるために格納庫の空間を広くしました。わが家前では、農業法人のみなさんが育苗ハウスへ水稲の芽だし苗を置き終えました。
まだまだ冬の片付けと春農作業の準備や、ためていた書き物しごとなどが山積みですが、今回は思い切ってそれらを後にまわして自然とふれる時を過ごしました。
そのうちの一つは、きのうの赤滝と須川高原行き。久しぶりに童と過ごせることになり、今シーズンの営業が早くも始まった須川高原・栗駒山荘へまずは向かいました。
ブナの萌えラインが国定公園地域まであがった国道342号沿いは、残雪と若緑で目がまぶしくなるほど。国内有数の森林生態系保護地域を上流域にひろくもつ北俣沢の下流はいまがまさに萌の山。ブナやミズナラ、ヒメマツ(キタゴヨウマツ)の育つ尾根地面にはイワウチワがいま花盛り。
栗駒山荘・温泉周囲の高原は、今なら雪上散策が絶好の季節。これからは、雪消にあわせて早く咲いてくれる野鳥の森内の池塘周辺などは、湿原植物の開花が次から次へと見られるでしょう。
栗駒山荘の露天風呂は、村人が「おらほの自慢」として外に誇れる村の横綱格。高原の完全掛け流し出で湯からながめる雪風景と鳥海山の遠望は、自然が村に与えた他の追随を許さない恩恵といえます。岩手側の須川高原温泉は開業準備に大忙し。30日の国道岩手側通行止め解除となれば岩手、秋田、二つの温泉は半年ぶりのにぎわいとなるでしょう。
須川温泉の湧出量は平均で毎分6000㍑といわれます。今はその量をさらに上回るのでしょうか、小川のようなお湯が須川高原温泉の軒先を流れ下っています。
▼帰りには赤滝に立ち寄りました。滝への道路は残雪でまだ通れず、雪の上を徒歩。滝周囲の環境は以前の姿と大きく異なりますが、かろうじて滝と神社の景観はまだ保たれています。これも、今年はじめての赤滝神社にみんなで願いを込め、私は滝壺に下りました。
いずこも同じで、雪解け水が落ち込む轟音の勢いに圧倒されるのが雪国の春の滝。もちろん川向こうにはこの日の装備では渡れません。滝壺の斜面や雑木林に咲くショウジョウバカマと、つぼみのイワナシ、カタクリをながめ、手軽にできた春景色堪能に満足のひとときでした。忙中に閑を見いだされ、是非、須川高原へ皆様、お出かけ下さい。