村でもワラビの季節に

ほかの山菜より一足遅れてカオを出すのがワラビ。豪雪の村でも、その山菜2番手のワラビが採り頃をむかえ、わが家でも転作田25㌃ほどに植えているワラビが少しずつ食卓にあがりはじめています。

土深く根を張って勢いよく増える力をもつのがワラビ。なんど踏まれても刈られても田んぼの畦にまでどんどん新芽を出す姿を見ると「ワラビのように、たくましくありたいもの」とその都度思います。

▼今年も各地で山菜採りがクマに襲われるなどの報道がされています。先日入ったウドなど山菜の豊富なブナの森深山。雪崩の大きな塊が沢底に溜まっているそこの斜面は、サグ(エゾニュウ・シシウドの仲間)の芯(中心茎)を食べるクマたちが集中する場所です。

こちらが歩く先々のほぼ山全体で、今々、若芽の茎だけを選んで食べた跡と真っ黒い脱糞跡が見られました。どうやらこのクマはここをしばし幾日かの食事場所と定めたようです。深山のネマガリタケノコが大好きなクマは、タケノコが出る前の主食代わりにするのがこのサグの芯(中心茎)です。

山菜採りでクマとの出会いを防ぐためには、登山などと同じで自分の存在をクマに知らせることが鉄則。地声を出すのがまず最も効果があり、ラジオや鈴を鳴らしたりもクマを遠ざけるのには役立ちます。

もし母熊が若子連れ(今冬に生まれた子グマ連れ)で棲む山に入ったら、人間の存在がわかっても子グマの歩きが遅いので母熊は遠ざかるのに時間がかかります。そういう場合はほかのクマよりも危険度が増しますから、声や音を何度も何度もたてながら、クマが移動する時間を余裕をもって待つ必要もあるのです。