決算の審査はじまる

令和元年度村会計の決算特別委員会審査が行われ、きのうは一般会計分の質疑応答が交わされました。

予算が、条例や目的に沿ってどう役割を果たしたのか、財政運営全体が計画的に的確に行われているかなどを含め、行政全体の成果や現状をとらえ、それを今後に活かすのが決算審査の大きな務めです。

今日は特別会計の審査が行われ、委員会採決となります。審査の中で、あるいは監査委員の意見書などで指摘されている大切な課題もいくつか浮かび上がっており、議会も、当局も、その課題の前進や改革に向けて相当なエネルギーを今後注がなければならないと思われます。審査の主な内容は後の議会だよりに載せられる予定です。

早生ヤマグリあかるむ(実る)

おととい、背戸そばにある早生のヤマグリがカネ(鉄)色の実を初めて落としました。

いつの年も、彼岸入りの少し前に実を「あかるませ」る早生グリ。今年は例年よりちょっぴりその稔りが早いようです。

今週末は彼岸の入り。稔りが本格化するこれからは、イガから脱けた実の落ちる音が、昼夜にわたってトーントーンとトタン屋根に響き続けます。

田んぼも木の実も稔りの風景が濃くなってきた村。稲穂には、初夏に田んぼで生まれたアカトンボたちがまたたくさん集まってきました。アカネトンボの仲間たちは、秋の稲田風景の引き立て役でもあります。

もう少したてば、トンボの中では尻尾を最も紅色に染めるナンバンアゲヅ(南蛮秋津・アキアカネより一回り小さく体全体が細いトンボ)も登場するでしょう。ナンバンアゲヅ(村では、トウガラシを南蛮と言う。トウガラシのように紅色の濃いトンボ)がアカネトンボたちと混じって見られるようになれば、山里は秋本番をむかえます。

異常な猛暑とお別れ

11日の一般質問は予定通り行われ、4議員が質問に立ち新型コロナ対策や村の第三セクター経営などについて議論が交わされました。

この日は予算特別委員会も開かれました。やはり国の補正予算にともなうコロナ対応を柱にした予算案が柱で、多くの質疑応答もそこに集中しました。

明日と明後日は、令和元年度各会計決算の審査が、議長、監査委員に就いている議員を除く8名構成の特別委員会で行われます。

▼おとといで季節外れの猛暑続きとはどうやらお別れのよう。村はようやく9月らしい気温となり、風通しの良すぎる我が家の夜など、半袖暮らしもこれで終わりという感じです。

過ぎた休日は稲刈り準備のための機械の調整やいろんな段取りに時間を費やしました。これでいつでも作業に入れるようにはなりました。ただ肝心カナメのお天気の方は、収穫シーズン近くなったら連日の雨降りマーク予報です。

田んぼの稲穂も、稔りで重くなり次第に倒れる圃場が各地で目立ちます。我が家も、標準より施肥はだいぶ少なめとしているのに、一部でだいぶ倒れが進んできました。こういうのを「痩せ倒れ」というのでしょう。

9月も半ば、涼しさをおぼえるようになると、ひときわ目立つのはアサガオやヒルガオの花たち。二つの花とも夏から咲いているのですが、どういうわけかこの季節になると見栄えがよくなるように感じます。同じ仲間の花ですが、季語の世界では栽培種のアサガオは秋、自生のヒルガオは夏と分けられているようです。

野のリンドウも秋を告げる

異常なほどの暑さが続いた9月でしたが、来週末には彼岸の入りをむかえる季節となりました。

気温は夏のようでも日の出は遅く日の入りは早くなり、その日の短さを植物たちはいち早く感ずるのでしょう、我が家の台所そばにある野生のリンドウも花が目立つようになってきました。集落近くでもこうですから、栗駒国定公園・須川高原のリンドウは花盛りとなっているでしょう。イワカガミ湿原のウメバチソウも花盛りかな。

我が家の9月は、リンドウと花期の長いオミナエシを窓外にながめ、いかにも山村らしい花景色を前にして食卓を囲みます。

その食卓には、おととい採ってきたウスムラサキホウキタケが煮物であがりました。添えられたのは瓶詰め保存されていた春の山の幸ネマガリタケノコ。彼岸が近づくにつれ、あるいは彼岸からは、秋の山の幸が順調に顔を出してくれれば、秋キノコたちが今日ひとつ、明日またひとつと食卓に増えてゆくはずです。

▼今日は9月議会の一般質問と予算特別委員会が行われます。一般質問には4議員が立ちます。予算特別委員会では、コロナ対策関連の補正予算案などを柱にした一般会計と各特別会計補正予算案などが審査されます。

あわび貝のようなウスムラサキホウキタケ

今年最後の田んぼの畦草刈りをきのう終えました。

春の代掻き前から秋の刈り取り前まで月に一度の割合で作業にあたる畦草刈り。5回目の秋ともなると地面を這うような草が多かったり、やや茎が堅くなったりで仕事は少々手間取ります。

作業を終えて後、自宅近くの里山へ入りました。目的はネズミハギモダシ(ウスムラサキホウキタケ)。「そろそろ出ている頃だが、今年は猛暑続きでムリかな?」と半ばあきらめながらむかいました。

このキノコは発生箇所がごく限られる稀少な種。私は3箇所の発生場所しか知らず、きのう向かったのはそのうちの2箇所。一箇所はわずかの発生だけですが、もう一箇所は例年並みに見事な菌列をつくり生長していました。

食べられるホウキタケの仲間のうちでもこのネズミハギモダシは特に肉厚で大型。幼菌はまるでサンゴのように華麗で、株の根元などアワビ貝のように厚みがあり、ホイル焼き、吸い物、煮物、鍋物、一夜味噌漬け、てんぷら、刺身風等々いろんな料理で楽しめます。

目指したネズミハギモダシはありましたが、里山の林内には、いつもなら顔を出しているほかのキノコたちの顔がほとんど見られません。サクラシメジもはしりが出るころですが、それも見られず、ほかの食毒数多のキノコたちも極端に少ないようです。猛暑の影響かもしれませんが、それにしてはネズモハギモダシはよく並の量が出ていたものです。自然は人間がとらえているよりもっともっと奥深い生態の輪の中で動いているのですね。

村産業祭の実行委員会

第53回目となる村産業祭(なるせ物産まつり)が10月23日~24日の二日間にわたって行われます。きのうはその実行委員会が開かれました。

今年はいろんな点でいつもの年と内容のちがう産業祭となります。ひとつは日程で、例年なら10月の最終土曜日を柱にして催事がおこなわれますが、今年は県の種苗交換会が横手市でちょうど同じ時期に開かれるため、重なりを避けて村の祭りは一週早めて行うことにしたことがひとつ。もう一つは、新型コロナ禍なので内容も大きく変わったこと。会場内で飲食することを取りやめたり、表彰式行事は行わないことなどです。

管内でコロナのクラスター発生などがもしあった場合は、状況をみて中止もあり得るという覚悟で祭りは開催されます。その頃になれば一定の収束をみせると思われますが、こればかりは一定の広がりをみせているウィルスが相手ですのでわかりません。

こういう時だからこそ、日々のくらしの元気の成果、象徴でもある多くの農林産物が出展されることを大いに期待したいものです。

▼きのう朝の畦草刈り払いの時、夜中に田んぼの稲穂に止まり休んでいたボンアゲヅ(盆秋津・アカネトンボ)たちが日の出にあわせていっせいに飛び立ちました。

黄金の稲穂波打つ田んぼに羽色を反射させるアカトンボの群れ。農山村の原風景のような場面がほんの一瞬でしたが田んぼの上にひろがりました。

一般質問は4議員から通告

11日におこなわれる9月定例会議の一般質問通告がきのう締め切られ、4議員から通告が出されました。

新型コロナ関連、第三セクターの秋田栗駒リゾート(株)関連、村の財政計画課題などを内容とする質問がされる予定です。

きのうは猛暑のなか今年最後の畦草刈りに汗を流しました。今日は暑さを避けて早朝から作業にとりかかりました。朝早くなので田んぼのなかにはアゲハチョウが稲穂に止まったままでした。どうやら夜は田んぼの中で過ごしたようです。

刈り取りや乾燥、籾すり機械なども少しずつ準備を進めており、気分はもう収穫作業モードに切り替えられつつあります。

何かと作業段取りの早い先輩のSさんは、自然乾燥用のハサ(稲架)をもう組み立て終えました。お天気次第ですが、今年は収穫の秋がもう2週間も経たずにはじまるでしょう。

9月定例会議はじまる

村議会9月定例会議が4日に開会しました。

会議は18日まで行われ、11日には一般質問と予算特別委員会、15~16日は決算特別委員会、18日は条例案などすべての議案審議の運びです。

4日は、各常任委員会などからの報告、村長、教育長による行政報告が行われました。

私からの諸般の報告はいつものように文書で為されました。例年行われていた県や全国町村議会議長会の一連の行事、各期成同盟会などの総会や要望活動、村や村内各団体の行事などがおしなべてコロナ対策で中止となり、総会は一様に「書面議決」。こんなに活動量の少ない報告をするのはこの職務に就いてからはじめてです。

どこの市町村議会の議長さん方もそれは同じようで、先日語り合ったある議長さんも「ほんとに行事出席が少ない」とのべておられました。私も、当然ながらこんなに諸々の行事での「あいさつ」の要請がないことも初めてで、そういう面でも「拍子抜け」したような数ヶ月間が続いています。

有効なワクチン開発が前提となるでしょうが、世界的な大流行が一定の収束をみたあかつきには、新型コロナとゆるやかな共存のくらしを一定年数覚悟しなければならないでしょう。それにあわせてわれわれの活動のなかでも、慣例として行われてきた活動スタイルの中でこの際見直しをすべきこともあるはず。くらしや諸々の活動について新たなスタイルでの組み立てを今から想定しておかなければと思います。

▼きのうは村小学校学童たちの郡市規模の野球大会があり応援観戦へ。

今年はコロナ禍によりあらゆる催し事の中止や変則的な開催を余儀なくされていて、学童たちのこの野球もそれは同じ。

村小学校チームは接戦で試合には敗れましたが、最後まで全力でがんばる姿をみんなにみせてくれました。6年生たちにとっては最後の試合となり、彼らの熱い夏はこの日でひとつの締めくくりとなりました。

▼一時は特別警報発令の可能性もあるとされた台風10号。昨夜から九州地方の一部を暴風域にまきこみ通過、朝には対馬方面まで達したとのこと。180万人ほどへ避難がよびかけられたといいますが、被災の方々へ心からのお見舞いを申し上げます。

わが村はその台風の影響といえば猛暑だけ。今朝も朝からおだやかな晴れで夏のような暑さ。狭いようでいて広い列島。梅雨時や雪の季節と同じように、南北に細く長い列島における気象条件のちがいを教えられるシーズン入りです。

あきたこまち黄金色に染まり始め

台風9号からはるか遠くにあってもその影響があってでしょう、県内は9月に入っても猛暑日がつづいています。

おとといから村は、東よりフェーン状の生温かい風が吹き、きのう朝も岩手境の尾根にはフカゲ(東風の霧)が厚くかかっていました。気温は高いものの風があるので村は過ごしやすかったのですが、盆地のほうは暑さでつらい一日だったと思います。

稲穂がだいぶ稔り色を濃くしてきたので、きのうは田んぼのぬかるみ状態を確かめに圃場の中に入ってみました。

4日のにわか雨の後なので表土にはまだ湿り気があります。でも水はけは適度になっていて、このまま予報通りの天気が続いてくれればまずまずの状態で刈り取り作業を進められそうです。田んぼには尻尾を赤くし始めた各種トンボたちの姿が増えてきました。生きものたちも秋の始まりを自然の何かから感じ取っているようです。

晴天続きでいっきに穂の登熟が進んできましたから、今年も稲刈りは案外早くとりかかれるかもしれません。週間予報どおりだと、20日からの連休は平野部を主に県内の稲刈りいっせいスタートの週間となるかも。

圃場の一部には、今年2度も抜き取り作業をしたのに「ビッキの鼻通し」(クログワイ)と呼ぶ雑草がまだ多く、抜き取りにほぼ一日を要しました。

歴史の道・仙北街道(手倉越)歩き(その4)

つなぎ沢の最後の沢渡りを終えてからはゆるやかな登り道が続く。

街道全体が豊かな原生ブナの森の連続だが、なかでも国内有数の森林生態系保護地域に指定される小出川中上流域はその保存地区であり核心部となる。千古斧の入らぬ原生林、豪雪の土地特有の典型的な大木の林は威厳すら感ずるほどの見事さだ。ここを通る時は、一瞬息を止めて見入り、深呼吸をしたくなる。

「又鬼坂」を登り終えてからは、展望の利く「大ぐるみ山」コースと迂回コースへと、隊はここでいったん2つに分かれた。疲労がピークに達した方々もおられたからである。

道の刈り払いがしばらくされていないのでやはりここも草木が結構厚く道を覆い歩きにくい。草と柴木をかきわけ「大ぐるみ山」到着は3時。「大ぐるみ山」の頂上も草が生い茂りいつものようにきれいにされてはいない。雲はまだ厚く遠望は利かないが、栃ケ森などははっきりと山の輪郭が見える。ここでも「山の神」に次いで記念写真を班ごとに撮る。

さあ、後は登りはなし。平坦なオウレン街道を進みながら左右のブナ林をながめ、やがて街道から分かれて大寒沢林道への急坂を下る。ここは疲れた一同の足に厳しい下りで、しばらくつらさを堪える歩きが続き、それが終われば終着点が待っている。

下りの途中で下方に向かい大声をあげたら、駐車場方面からも反応の声がある。後で聞いたことだが、村のほうでは日中に強いにわか雨があったらしく、我々がいた山脈方面は黒雲に覆われ見えなくなり我々の踏査行を心配されたようだ。予定より少し遅れたがまずまずの時間で全員無事に到着し、踏査の一同はもちろんだが、それを送迎していただいたみなさんも「まずは安心」で、出迎えのみなさんが用意してくれた冷たい飲み物でめでたく乾杯、最後の記念写真をおさめた。

前述したように昨年は悪天で交流踏査が中止となり、歴史の道百選になってから、両県側がいっしょに踏査をしたのははじめてのこと。参加されたみなさんには、それぞれ街道の管理の実態もご確認いただいたので、今後はそれについても前進がはかられるものと確信している。今年は「新たな視点での合同街道踏査」の始まりの年となったが、来年からはさらに充実した街道歩きが期待できるものと思われる。隊長をつとめられた鈴木さんを始め、岩手側からご参加の各位に心からお礼を申し上げ、また村の関係者と車などの手配にご尽力いただいたみなさんにも厚く感謝をのべたい。

最後に、街道歩きの途中でカメラにおさめたキノコと花たちを載せて、踏査行だよりのしめくくりとする。キノコは順に、チチタケ、アカヤマドリ、タマゴタケ、そして私のように老い始めたトンビマイタケ。花は、ダイモンジソウ、トリカブト、チョウジギク。

▼今回参加いただいた岩手県議の千葉秀幸さんは、大リーグで活躍中の菊池雄星選手や大谷翔平選手の母校である同じ花巻東高校の野球部ご出身で、平成17年夏の甲子園大会に2回戦まで出場した時の選手であることを知った。岩手大学教育学部を卒業後、水沢信用金庫につとめられ、現在は家業なのだろう建具製作所の取締役という経歴をもつ方である。