▼豪雪続きだったここ4年間のいつもの年より積雪が少なかった今冬の村。その分、地面にも、草木にも、川にも、いつもの年より春がやや早めに訪れているようです。
わが家そばの国道に接する土手にはチャワンバナコ(イチゲ花の仲間たち)が咲き始め、フクジュソウ群落もいよいよ花まっ盛りになりました。
一方の川。天正の滝の渓谷から流れ下る合居川はわが家すぐ近くで成瀬川に注ぎます。子どもの頃、勉強などはそっちのけでイワナやカジカ獲りに夢中になった通称「イワエドコ(岩井戸っこでしょぅか?淵の名です)」そばの瀬のそばには、むかしと同じようにネコヤナギが、少し勢いを増した雪解け水との共演で早春の趣きをかもしだしています。
わがたんぼの土手からのぞむ成瀬川。国内有数の広大なブナ林をはじめとする森林生態系保護地域となる栗駒山麓と栃ケ森山方面北ノ俣沢の二つの大きな渓谷から流れる本流は、わが家前でもう一つの支流合居川を合流させ村を下ります。その本流も笹色に光り、真冬の静から躍動の流れへと川面の様子を一変させています。
雪が少なかったシーズンといっても、わがたんぼはまだ厚い雪の下。これがあとひと月で全部とけ消えてしまう頃、ようやくこの地は耕起作業がはじめられます。
わが家脇を流れる岩井沢。ここは、イワナやヤマメ、川ザッコ(ウグイ)、カシカ(カジカ)、ニガッペ(アブラハヤ)、スナヤツメの生息するワラシ(童)の頃からの小さな遊びの天地。沢岸の雪の厚さは1㍍、ここより積雪の多いたんぼも優にそれだけの雪に覆われているということです。
村はまもなく本格的な堅雪渡りができる頃。堅雪、イワナ釣り、セリ摘み、ヒロッコ堀り、ぶりっこカシカ獲り(卵を抱いたカジカ獲り)、小さな社を根城にした柴木の刀でのただがいっこ(ちゃんばらごっこ)、私らが童の頃、待ちに待っていたあの春が、今年もやってきました。
▼27日には、転出される小中の先生方の合同あいさつ会、後に村の表彰式がおこなわれ、午後には広域市町村圈組合の3月定例議会へ。
人口減少や市町村合併が影響してでしょう、学校の統廃合がすすみ、それにあわせて教職員の広域異動がめずらしくなくなりました。今回も、住居は管内ながら遠い方面へ転出という方もおられます。教職員に限らず新聞に数多の異動発表が載る季節、例年のことながら転出の身におかれる方々のこもごもの心情と苦労を推察してしまう季節です。この日は、村の表彰式で受賞された方々もふくめ、村の教育、村づくりのためにご難儀いただいたみなさんへ感謝感謝の時でした。