しなり強さで豪雪をしのぐ

雪解けの進みにあわせて、土の見える範囲が日ごとに増えている村です。

春一番咲の野の花フクジュソウやバッケにつづいて、チャワンバナコ(キクザキイチゲの仲間)もようやく見られるようになりました。

雪崩跡の渓流沿いの急斜面では、厚い雪に押さえつけられていたモミジが、しなり強い樹勢をみせて半年ぶりに樹幹を上に向けています。長く厳しい豪雪の冬に耐えるには、人々の意思にもしなり強さがもとめられるのですが、同じように雪国の木々たちも、ただの強固さではなく、しなり強さがなければ冬を越して生きることができないのです。

 

ヒメマツ(キタゴヨウマツ)やブナなどもそれは同じです。雪の下になっている枝も、果樹や庭木などとちがって雪解けにともなっての枝折れはほとんどなく、雪で下にひっぱられる強い圧力にもこのように頑と耐え続けることができています。その力もみんな「しなり強さ」なのです。