雪にお似合いのユギノシタキノゴ

重たそうな雲の切れ間から時折青空がのぞいた日曜日。久しぶりに河原の散策へ出かけました。

散策といっても、河原はもう40㌢ほどの積雪でツブ足(雪具をつけない長靴だけの足格好)での長歩きは無理。一年ぶりにカンジキを履いての散策です。

草木の葉っぱもすっかりなくなり、河原に生い茂っていた葦や茅も雪に倒され、藪も重い雪の下になっています。ですから、足はやや雪に沈むものの、歩きを邪魔する障害物がなくなり河川敷は自由自在に歩けます。冬の散策は、この自由自在というところにもひとつの魅力があります。

草木が冬備えの状態になっているので、冬は小鳥たちのうごきもよく目にはいるようになります。枯れ木をつつくアカゲラ、群れで飛び交うシジュウカラ、いつも単独行動のミソサザイと、小鳥たちは動きを止めずに忙しそうです。

倒れた枯れ木の多くは雪に覆われてしまいましたが、まだ雪の下にならないでいる枯れ木や、立ち枯れ木には、ムギダゲ(ムキタケ)やユギノシタキノゴ(エノキタケ)が時々みられます。

 

 

 

菌類とはなんとなんと幅広い生きもの。こういう寒さがあってこそ繁殖できるのですから不思議なものです。ユギノシタキノゴは、やっぱり雪があってからのほうが写真にもお似合いで、見目形だけでなく、雪に触れるとおいしさもいっそうひきたつような気がします。

河原の伏流水に育つノゼリ(土が深く肥えていて、まっ白く長い根が特徴)と、同じ場所にやはり増え続けているクレソンも摘み、キノコと新鮮軟らかな野の緑菜をおいしくいただきました。ペロペロ粘りのムキタケと天然エノキタケのあっつい味噌汁に天然の緑の菜をちょっとちりばめ、ふうふう吹きながらごちそうになる。山里にくらす幸せを感ずるのは、こんなごく普通の朝餉夕餉のひとときです。