雪おろし作業のついでに歩いたわがたんぼ脇の高台からのぞむきのうの景色です。
寒気が続き樹木への着雪が落ちずにそのままでしたから、午前中は里山でも、陽光、雪、杉の木がつくる陰と陽、寒の季節特有の雪景色が村いっぱいにひろがりました。
里山でもこうです。一日いっぱい雪をまとわり続け、時折陽射しをあびた県境尾根部などは、遠くからながめても見事な樹木景観がつくられていることがわかります。そこまでリフトで上がれるジュネススキー場なら、こういう時など景色のすばらしさに感嘆の連続でしょう。
たんぼの高台からさらに小山に上がれば、そこには何十年もマミ(アナグマ)かムジナ(タヌキ)たちがくらしている土中の巣穴があります。真冬でも活動するはタヌキ。そして冬眠するというアナグマ。むかしは気温が上がると冬でも狩人に撃たれることがあったアナグマでしたから、この穴にくらすのは果たしてアナグマかタヌキかわからなくなりました。この穴を掘ったのはまちがいなくアナグマですが、もしかしたらタヌキも土中の小部屋のどれかを借りてくらしているのかも。
夏はまだまだたくさんの出入り穴がありますが、冬は、2㍍近い積雪を通して2つの出入り穴だけを利用しているらしく、土の着いた足跡が穴口にはいっぱい。土中にくらしている集団は何匹なのか、こちらの気配を穴の中で覚っていたのか、どれだけの小部屋をつくり棲み分けているのか、冬のタヌキは何を食べて生きているのか、ここに来ればカメラをむけながら毎年同じことを思います。
寒の季節になると、より美しさが増すたんぼ脇のミズナラに生きるヤドリギの実。コーッ、コーッの鳴き声に空を見上げたら、この日も雁の群れが南に向かいます。モノトーンの世界、生きものの極端に少ない冬は、ちょっとした色の変化や生きものたちの動きになぜか敏感になります。