ナガタデを新調

cimg8419-1物づくりの技に長けているSさんに頼んでいたナガタデ(山菜・キノコ採り用の大きな背負い道具・昔は丈夫なブドウ皮材料が主だった)が完成し届きました。これはSさんの奥さんが手がけたもので、今の材料は、入手が簡単、軽くて丈夫なビニルひもです。

Sさんにはキャンジキ(カンジキ)も作っていたただいており、雪の村内に、くらしに欠かせぬ道具をつくれるご夫妻(こちらとほぼ同年代)がおられるので助かります。

いま愛用しているナガタデは、村の長老でやはり手先の技に秀でていた今は亡きTさん作。それは使い始めて10年ほどになるでしょうか、無理な使い方をするので形がだいぶ崩れ、そろそろ新調しなければと思ったのです。

ところが、小、中規模の同じような道具なら作り手はたくさんおりますが、これだけ大きな、しかもそれがナガタデとなると特別に注文しなければそうは手をかける方がおりません。自身も山歩き、渓流釣りや山菜採りを大きな趣味とされるSさんですから、こちらが「どんな仕様を必要としているか」もわかっていただけたようです。

完成品は、深さ50㌢、間口が60㌢×20㌢、手作りナガタデとしては最大級です。たとえば1本のミズナラ大木に計30㎏のミャゴ(マイタケ・舞茸)があっても、これならキノコをそれほど壊さず楽に荷造りすることができます。

ちなみに、私が一本のミズナラで過去に出会ったマイタケの最大量は、どっしりの重さで二人分の背負い量でしたから、50㎏前後はあったのか。そういうことを3回は覚えています。何年にか一度、もし出会えれば舞いたくなるほどと人はいうそんな希の日を待ちながら、またしばらくこのナガタデは私の背となり奥羽深山の峰や沢を渡り続けるでしょう。

▼きのう抜糸となり、片眼不自由な日々がようやく終わりました。

cimg8427-1眼といえば思い起こすのは仕事部屋に並んでいるダルマさん。これまで議会だけでも7回の選挙を経てきたわけですが、一回目の補選挑戦ではダルマに片目をいれただけで両目が黒くなることはかなわずでした。

以後は、両目を塗りつぶされたダルマさんが大小ならびますが、墨の濃淡や筆の入れようによるかたちのふぞろいなど一つ一つの目にちがいがあります。それぞれのダルマをながめると、同じ4年に一度の審判の夜でも、筆にこめられた心の趣が微妙にちがっていることをそれらの墨目は物語っています。

両目があいたダルマをかかえた時のように、きのうは晴れの完全開眼。眼の大切さをほんとうに思い知らされた一週間でした。もう片方の手術はいつになるか、これから病の進み具合を診ていただき断が下されるようです。