大雪注意報が出されたきのう。「そろそろ根雪かな」と覚悟したところ、その割には降雪が少なく午後には青空も見え、いったん冬構えで緊張した体が少し緩みました。
冬を越す片付け仕事の残りなどで畑に立ち寄ったら、土手のエベロ(オオウバユリ)が堅い茎の先に実をいっぱいつけて直立。ほかの野草はススキなどをのぞけばほとんど倒れていますから、背景が雪の白だけにこの一本立ちは目立ちます。殻をあけたら、ユリ科特有のたくさんの実がきれいに重なりついています。
花をつけた株はそれで寿命を終わり、代わりにそばに新しい子株を育てるというオオウバユリ。広範囲に繁殖するためには、この実が殻からはじけて風に乗り飛び出すという、もう1つの世代交代の術をもっているのです。ヤマユリとちがって実のある株に球根はなし。球根をほしければ春の新芽の時がいいのですが、飽食の今はこの球根を食べる方は村にはほとんどいないでしょう。
昔は、デンプンがとれることから大切な救荒食物に数えられたオオウバユリ。それにしても、どんな理由で「大姥・大乳母かな?」などという名がつけられたのか。
雪があると映えてくるのはウメボドゲ(ツルウメモドキ)の実。今年はヤマグリとドングリを除けばどちかというと木の実が不作。でも、こちらはどこの蔦にも実がいっぱいです。
ヤマドリはこの実が大好きですから、ヤマブドウが少なかった分をこの美しい実で補っているでしょう。