「来年は、モリアオガエルを見にいこう」童とそう約束していて1年がたち、その6月半ばがやってきました。
朝には小雨で草や藪が濡れ、やや肌寒いあいにくの空模様の土曜日、尻上がりにお天気は回復しそうでしたので、その約束をかなえる野外観察に二人ででかけました。
雨合羽で完全に身構え、蚊よけの線香を下げ、クマ避けには童が「ホーッ、ホーッ」と大声で叫び、藪をかきわけて生息地にむかったら、ありました、ありました、卵を産みつけられた泡が木々にいっぱいです。
やや黄色みを帯びたのは古い泡でしょうが、真っ白な新しい泡はただいま産卵中か、産卵直後の泡らしい。そこには、モリアオガエルの大きなメスの背中やまわりに一回り小さいオスたちが、1匹、2匹、3匹、4匹、5匹までは確かめられましたが、しがみついています。そんな泡とカエルの姿が、水辺の木々にあっちにもこっちにも。
「卵だけでカエルの姿などは見られない」とこちらは踏んでいましたが、童は最初から卵よりもカエルが目的だったらしい。木々の葉っぱとまったく同じ緑色をしているカエルにも、目がカエル探し目になっているからでしょう、最初にカエルをみつけたのは童。産卵真っ最中の姿をみて「あっ、カエル、いっぱいる」とやや興奮気味です。なかには泡から離れて枝にとまっている雌雄のカエルもたくさんいて、童はさっそくそれを手に。
帰りには、トキソウやサギスゲでしょうか、湿地に咲き始めた花のまわりでまだ少し早めでしたがジュンサイをひと摘みし、虫をとらえたモウセンゴケ、トンボなども観察。川ではカジカガエルをあおむけにして手のひらに乗せた童に、心地よかったのでしょうかカジカガエルがあおむけのまま「キョロキョロキョロキョロローン」とのどを鳴らしてくれるご褒美も。はじめて目にした産卵中のモリアオガエルと、大好きなジュンサイ摘み、それにカジカガエルのうたを聞き「今日は、楽しかったね」と、満足の顔で童は帰りました。
▼きのうは、村の「ゆるるん」を会場に行われた第34回県南民謡選手権大会にご案内をいただき、歓迎のあいさつをのべました。
村ではこれが3回目の開催という大会。民謡の宝庫県南地方66人の出場者に加えて、民謡や民舞の賛助出演、そして過去の大会優勝者のゲスト出演もありという内容の濃さです。民謡愛好者にとっては無料でこんなにすばらしい歌声が聞けるのですから「うれしくて、たまらない」というステージだったでしょう。
村から出場されたみなさんのなかには、若い歌い手として期待される佐々木美羽さんが秋田おはら節、少年少女の部では小学校4年生の谷藤翔太くんが秋田酒屋酛すり歌をもっての挑戦とプログラムにありました。民謡を巧みに歌い継げる方々は、いつの時代も宝です。