雪降りなしのお天気が昨日までしばらく続きました。それで、およそ1時間近くかかる朝の除雪作業がないぶん新聞をじっくりよむことができたり、床の中の時間を延長できたりと、いつもの年にはできない師走の朝を過ごす日々でした。
きのうは諸々の朝の決済など(予告されていた臨時議会が22日開催に)を終え、すばやく着替えて車を合居川林道にむけ走らせました。「山肌の雪が少ないので、天正の滝までなら行けるだろう」とふんだからです。
里の山にもたんぼにも雪はほとんどなくなりましたが、渓谷まであがればまだ道路は雪。わが軽トラックではいかに4輪駆動でも例年の冬なら通行はムリですが、狩猟者でも入山したのでしょうか、すでに車のわだちがあるのでその跡をたどればかろうじて車は進みます。
実は、車が上がれるかどうかだけでなく、雪の季節の合居川渓谷は「雪崩の巣」となる極めて危険な沢。今はまだ雪が少なく大丈夫ですが、むかしから「この沢、真冬と春は下から入るな」がわれわれの合い言葉にもなっているのです。
そんなこんなで師走半ば車で上がれるのはめずらしいこと。「久しぶりに、12月半ばの天正の滝を見られるかも」というこちらののぞみは簡単に実現しました。
ということで、そうは見る機会のない師走半ばの天正の滝です。
そばのブナ林内では、雪上に大きなクマの足跡があり、ヤマブドウやカタスミ、ブナの実などをたっぷりと食べての脱糞の跡も。ここ2~3日前に雪の上を移動しながら、まだせっせと食べ物を摂っているという印です。これは雪が少なく食べ物が豊富だった今年のクマの生態を知るこのうえない証です。
このクマ公さん。冬眠の穴は合居川渓谷のうちで、まだそこらをうろちょろしているか、それとも明通沢、大深沢、大柳沢、土寄沢や北ノ俣沢方面まで向かったか、あるいは県境を越えて南本内川上流域か、胆沢川上流域の自分の決め穴まで戻るクマなのか。初冬、雪の中でも驚くほどに遠距離を歩くクマを幾度か追う体験をし、または聞いたことがあるだけに、私の想像はどんどんひろがります。