童が学校休みの過ぎた日、「いっしょに遊びたい」という声を聞いてこちらも急きょ仕事の予定を変更、好天の秋の半日を山に谷に川にたんぼにと、フル回転で動きまわりました。
最初にむかったのは天正の滝とブナの森。前年に一度滝まで下りているので「滝まで下りてみたい」が童の希望。それにブナの実が大好きなので「実をひろいたい」。沢ではサンショウウオを観察したことがあるので「それもみたい」。キノコやアケビも好きなので「それもとりたい」と、童の目的はいっぱいです。
紅葉の谷と林をながめながら滝壺に下ったら、「あっ、虹だ」と童。こちらはなんにも気づきませんでしたが、滝の瀑布から生まれた霧に木漏れ日が差し、よく観るとうす~い虹がなるほどできています。大人の目ではとらえないところを、童は敏感にとらえるものなのですね。
先に滝まで下っていた高齢の方二人、それに展望台に下ってきた三人の方は童へ「こんにちは」のあいさつ。いずれも隣県の方々のようで、童も「こんにちは」の返礼。こういう雰囲気も気持ちがいいものです。
ブナ大木の下では、しばらくブナの実ひろいです。時々、実を口にいれて「おいしい」。実の美味さをすでに知っていますから、ひろうのもなかなか真剣なしぐさです。
帰って今度は成瀬川へ。秋の洪水で川の流れはここでも大きく変化しました。河川敷には砂場がいっぱいできていて、さっそく裸足になっておもいっきりのかけっこ。石つぶての「トビウオ」で楽しんだり、カジカをみたり、流木に出たナメコやブナシメジをいただいたり。川も童のうれしい遊び相手です。
川の次はたんぼへ。「トカゲをみたい」といいますが、後の予定もあり時間不足でこの日はハチュウ類とつきあう時間はなし。もう彼らも冬眠の直前というあたりでしょうか。生きものの代わりに、かなり大きくなってきたセリ摘みをして二人のレクレーションは終わり。帰り道「今日は楽しかったね」と、満足の表情で言われると、なんだか、こちらがお礼を言いたくなるような心持ちにさせられました。