りんごの廃木を薪用に

身内のリンゴ農家では、毎年のように果樹の倒木や幹折れ、枝折れ木が発生し、それらは、整枝・せんてい作業にあわせて雪解けまでにきれいに片付けられます。また樹園地では、新しい苗木植栽の時や、何かの事情で果樹をひろく切り倒すこともあり、そんな時も、廃木がたくさん生じます。

それを、薪用にといただいて運ぶのがわが家の春の行事で、きのうと今日にかけて材の運搬にあたりました。

横手市平鹿町・増田町・十文字町は、いつもお知らせしているように県内屈指の果樹地帯で、県の果樹試験場も平鹿町にあるほど果樹栽培では県のさきがけとなった地方です。

平鹿町、増田町はリンゴやナシ栽培で、十文字町はサクランボやブドウ栽培で古くから名の通った産地でした。近年では桃やサクランボも栽培農家がこの地区全体にひろがり、県内で農業産出額がもっとも大きな横手市農業の重要な位置をしめる地区となっています。

いま、それらの樹園地ではサクランボやモモの花が満開で、リンゴも花開き始めました。ここでは土地の北東にそびえる金峰山のブナの萌えも背景に映えます。今年は早い雪消で花も早し。果樹地帯ならではのそんな素敵な農村風景を目にしながらの薪材運びとなりました。

通りすがりの樹園地内では、村のスキー場で長年パトロールの仕事に就いていただいてきた果樹農家のIさんがお仕事の真っ最中でした。いつもの年ならリンゴの花が咲くのは5月はじめですが、今年はもうリンゴも花が咲き始めています。Iさんは、「今年はサクランボとモモも花咲きが早過ぎる。」とのべ、これらの霜被害の状況を語ってくれました。

私たちはただ「花が美しい」と、表に見えることだけしかわかりませんが、果樹農家のみなさんにとって、こんなに早過ぎる果樹の開花は大きな霜被害とつながるため深刻な懸念がもたれているようです。リンゴも遅霜被害がなければいいですが。

Iさんの樹園地そば、旧亀田小学校の校門そばを通ったら、散り始めたソメイヨシノの老樹の幹に松の木の幼木が育っていました。樹種はどうもヒメマツ(キタゴヨウ)に似ている姿ですが、何かの鳥が種を食べた糞からでも芽生えたのでしょうか、そんなめずらしい様子も目に入りました。