人生に欠かせぬ心の糧・芸術

15日(土)、あきた芸術村わらび劇場の今年の定期公演開幕でミュージカルを観賞しました。

今年の上演は、ワンス・アポン・ア・タイム・イン アキタという作品。8世紀の古代秋田城とそれらをとりまく人々の群像を描いたものです。

作品のテーマは、争いごとに直面した時、武力ではなく話し合いで解決することが大切なこと、それには人と人の信頼関係をつくりあげることが何よりも求められること、と私は受けとめました。ロシアのウクライナ侵攻をはじめ、戦争や紛争とよばれる国家による暴力行為がいまだ進行中、あるいは懸念される世界の動きを見たとき、この作品はまことに時宜にかなった内容だと思いました。

新型コロナ禍で大変な状況におかれたわらび座とわらび劇場でしたが、コロナの一定の収まりのなか、ようやく通常のかたちで公演もほかの事業もすすめられるようになりました。この日の公演も久しぶりにコロナをそれほど意識せずに鑑賞することができました。

大変な荒波を乗り越えて通常のかたちで演ずることができた俳優をはじめとする座のみなさんは、きのうの客席からの拍手が、いつにも増して「ありがとう、がんばれ!」の思いがこめられた拍手の音であることを感じたと思われます。感動し元気をもらったのでしょう、私のまわりの方々は、みなさん涙、涙、涙で拍手をしておりました。

芸術は人の心を豊かにしてくれます。わらび座は県内に生まれ育った劇団として、県の芸術活動発展のうえでも大きな役割を果たしてきました。わが村も含む県内多くの市町村がそうしたわらび座とフレンドリータウンに関する話し合いをすすめ、わらび座との活動を通じて観光文化の振興、相互の魅力発信、福祉増進と人材育成、教育振興と生涯学習充実、交流促進と地域振興などにとりくむことで協定を結んでいます。

今年6月21日には、全国公演の一地点としてわが村でわらび座のミュージカル公演「いつだって青空」が村民体育館を会場に計画されています。文化・芸術を重視する村が、今年の当初予算にその計画を盛り込み議決されたものです。児童生徒や若者たちはもちろん、高齢の方々までふくめ幅広い年齢層の方々に親しまれている演目です。6月が楽しみですね。

あたたかで雪消が早く、劇場のまわりの桜も満開。途中の真人公園もふくめ県南部の名のある公園のソメイヨシノはいずこも満開。山のベニヤマザクラと里のソメイヨシノと、往き来は桜、桜、桜の花ロードでした。