雪上のヤマドリ、ノウサギと久しぶりの出会い

過ぎた日曜日の午後2時近くになってから、自宅向かいの山に上がりました。

雪が締まっていることを見越しての今年初めての冬の里山歩きです。想定通りで雪上は歩きやすく、カンジキをつければ足はそれほど沈みません。

それでも向い山はいきなりの急登なので一気上がりはできず、時々の小休止が必要。狩りをしていた若い頃からすれば脚力が落ちていて、毎年こうして雪山を歩く度に、足腰、体全体の衰えを感じます。でも、こうしてまだカンジキ履きで歩けますから並みの健康体ということにはなるのでしょう。「雪山を歩けるうちはまだだいじょうぶ!」、冬の雪山歩きは私の健康のバロメーターのようなものです。

雪山歩きの目的は健康維持とともに野の生きものたちとの出会いにあります。もちろんそれらを写すのも目的です。

この日は上がり初めてすぐ、100㍍ほど先にうごくオスヤマドリの姿を確認。向こうはとっくにこちらに気づいて早足で歩き始めました。それでもまだ飛び立たないので静かに彼との距離をいくらかつめて、かなり遠いのですがなんとか数枚をカメラに収めることができました。

その後には、さらに上がって尾根に到達。わが集落の一部や、漫画家・高橋よしひろ先生出身地の入道集落、合居川渓谷、県境の尾根、そしてスキー場、手倉、椿川地区などを展望しました。

降雪はないものの手袋なしでは手がかじかむほどにつめたく、尾根に長居はできずすぐに歩を下に向けました。眼下にのぞむわが菩提寺境内の墓石も雪上に出ているほどに今年はまだ積雪が多くはないのですが、それでも尾根には雪庇が発達し始めています。一部ではこの間の雨天と暖気によってその雪庇の全層が崩れ落ちている斜面もありました。この季節はワス(表層雪崩)への警戒がとくに必要ですが、暖気や雨天の時は寒中でもヒラ(全層雪崩)への警戒を要することもあらためて感じました。

下る途中の樹齢80年ほどの杉林のなかでは、足下から突然ノウサギが跳びだし全速力で眼前を横切り跳ねてゆきました。もちろんその瞬間はカメラは間に合わずです。しかしウサギの習性をこちらは知っています。「そのうち、どこかで立ち止まっているだろう」とウサギの跳ねた方向へ10歩ほど進んで遠くを眺めたら、案の定、杉の間に立ち止まっているウサギの姿が見えました。

かなり遠いですが、手持ちでこれも何枚かその姿を写し撮ることができました。今年は卯年。撮りだめていたノウサギの写真を先日載せましたが、今度はほやほやの新しいノウサギの写真をそえて、真っ白な姿の彼か彼女とともに「卯年、おめでとうございます」です。