雪国の山村では「でぇご、ねば、冬、こされねぇ。(大根が、ないと、冬を越されない)」と言われるほどに、これからの人々の暮らしに欠かせぬ大切な大根。
ほとんどの家々でその収穫は終わったでしょうが、わが家はやや遅れておととい抜き取り作業を行いました。
きのうより前に収穫していた漬け物用の大根は干されていて、すでに一部は松前漬けなどで食されています。ほかは、味噌汁、鍋物、煮物、ナタ漬け、凍み大根など様々な用途に向けられます。家屋の造りがむかし風のわが家では、大根を貯蔵する「でご穴」があり、そこにもいっぱいの大根が貯蔵されます。
ただ、食生活が変わり、昔のようにノウサギ鍋や鴨鍋、クマ鍋に入れたり、大量の大根を大きな桶に漬け込む「一本漬け」もなくなりましたので、栽培する大根は以前に比べればずいぶん少なくなりました。
県境奥羽のブナの回廊をはじめとする深山は落葉が終わり、栗駒や焼石の高い峰々は雪で薄化粧の日々です。まわりの里山もすっかり葉を落として冬の様相となりました。
作業後にはいつもの散策。ユギノシタキノゴ(エノキタケ)やナメラコ(ナメコ)、ヤマドリモダシ(クリタケ)、採り・撮りを楽しみました。