わが家の車庫の中に営巣していたスクナギ(キセキレイ)。10日と11日に卵から帰った4羽のヒナたちは日を増す毎に体が大きくなっていました。(最初の写真3枚は孵化直後のヒナたち。再掲です。)
2羽の親鳥は、早暁から夕刻までひっきりなしに大小の虫を捕らえて巣に運びつづけていました。4羽のヒナの食欲はまことに旺盛のようで、親たちが一日に運ぶ虫の量はかなりのものと思われます。
虫を咥えて巣に帰った親は、いっきに巣には入らず、まず電線の上でしばらくまわりの様子をうかがいます。その後、人やカラスなどがいないと確認できればはじめて電線から道路そばに下り、まずは歩いて巣のそばに寄り、さらに何度も何度も「敵」がいないことを確認してから巣に飛び上がり鳴き続けるヒナたちにエサを与えます。
この時の親とヒナの警戒心は相当のもので、親は人の姿が視野にあるうちは巣には決して近づこうとしません。またヒナたちも、普段は体全体をみせるようにしていますが、人が巣に極端に近づけばいっせいに頭を下げ体全体を縮めて隠します。こんなに小さいうちから外敵から身をまもる術が本能としてそなわっているようで、ヒナたちのその動きには少々驚きました。
あと何日したら巣立ちの日をむかえられるかと思っていたら、きのう21日午前にまず2羽が巣から離れ、夕方には3羽目もいなくなり残ったのは1羽。その1羽も今朝巣を覗いたら見えません。「よかった、巣立ったのだな」と思って何気なしに車庫そばの花壇をみたら、花木の下にヒナが隠れるようにして立っています。その上の電線では親鳥2羽が心配そうに下を見つめながら盛んに鳴いています。
「飛び損なってしまったのかな。巣に戻してあげようかな」とヒナのそばに近づいて手をさしのべたら、その瞬間ヒナは元気に羽ばたき飛び立ちました。ヒナたちは4羽全部巣立つことができたようで、「えがったな」とほほえみながら妻と語り合えるうれしい朝となりました。
写真は、10日から22日までのヒナたちの生長の様子と、虫を運ぶ親鳥たちの姿です。