花の百名山・焼石岳のお盆山行(その2)

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この日の山頂は暑くもなし、寒くもなし。花々と眼下の景色をながめてなら絶好の頂上長居ができるお天気だ。

だが、この日の私には、頂上でゆっくりする予定はなかった。横岳方面に少し足を伸ばしてみようと思ったからである。南の森にはまだ例年の雪渓がみられる。南の森の裾一帯から横岳方面の裾一帯にかけては若い頃によく残雪の春山を歩いた所。

そこには広大なブナ林がひろがり、焼石、南の森、横岳などの南西側山麓の清水は眼下の湿地を経て、私がよく訪れる滝にも流れ込み、胆沢の本流に注ぐ。

DSC_0123-1DSC_0128-1DSC_0134-1DSC_0135-1DSC_0136-1DSC_0140-1ここは雪が多いためか、気流の関係でなのか、8月半ばでも遅咲きのハクサンイチゲが登山道沿いを彩ってくれてうれしいところ。そばの姥石平は6月半ば、花の焼石をもっとも素敵に象徴するハクサンイチゲの大群落で有名。それに連なる南の横岳方面は、東焼石岳方面とならんで花の焼石連峰のなかでもひときわ花の種数の多いところ。足に自信のある方で花をめざす方なら見逃せないコースともいえる。

DSC_0119-1DSC_0121-1DSC_0130-1DSC_0133-1DSC_0141-1DSC_0147-1DSC_0126-1DSC_0125-1ここからは、ハクサンイチゲ、ミヤマリンドウ、タチギボウシなどギボウシの仲間たち、それにシロバナトウウチソウやミヤマアキノキリンソウなども加わる。初夏から秋までの花の種類数が多く、この時期としてはめずらしいほどにもっとも花園らしい景色を堪能できる。

引き返して姥石平の夏油コースへ入り9合目・焼石神社までの途中では、登り下りの登山者が何組もみられる。今日の花の百名山焼石の締め紹介は、隣り合わせて咲いていたウスユキソウの二つのなかま。まさに、花*花*花の山である。

CIMG0284-1▼待ちかねていた水稲の害虫防除作業、薬剤散布をきのうやっと済ませることができた。きのうの予報は主に曇りで、「にわか雨が降るかもしれない」という付け加えもあった。そういうことだったので作業は19日に予定していた。

ところが、朝になって風と陽射しがあり、雲の流れも比較的速い。役場に出てから急きょ心が揺れ予定を変更「よし、今日やるぞ」と妻に宣告したのが10時頃。

こういう急な変更があるらしいことを妻はとっくに承知なのだろう、予想していたように「わかっだ」の返事で俄に段取りをはじめる。「泥縄仕事だな」と小声でつぶやきながら。

「にわか雨」は、作業が終わった直前と、しばらくたってからの二度あったが、薬剤を洗うほどの量ではなかったのでまずは一安心。昨日はそのにわか雨が降るかどうかで「バクチ」みたいな作業決断の選択だったが、お天道様は私どもの賭に微笑んでくれた。百姓は、時に天候判断の賭け心でお天道様を見つめ、穫り入れまでの日々を過ごすのである。