雪解けがいっきに進むこれから先は、流れが濁りを濃くし荒ぶる勢いに変わります。が、それまでの今すこしの間は、成瀬川がもっとも素敵な表情を見せてくれる笹濁りの季節。私は、春のこの笹濁り色の川が大好きです。
雪解け水で水量をやや増した川は、その流れの勢いと運ばれる小石などによって冬の間に澱んでいた川底を洗い流したちまちのうちにきれいにしてくれます。雪解け濁流は夏季の洪水と同じで、川の生きものたちの棲む場所を掃除してくれる天然浄化作用の役目を果たしているともいえます。
流れの岸辺、わが家前の河川敷では、この週はじめになって山菜のコゴミがカオを出し始めました。そこには甘いカンゾウやアザミの新芽も真っ盛り。散策がてら、草丈を伸ばした分だけを順に摘み、和え物や味噌汁、おひたしで毎日おいしくいただいております。湧水のクレソンもずいぶん草丈が伸びてきました。
我々は食べはしませんが、クマたちの大好きなミズバショウも苞が開き初め、やはりクマの大好きなウドザグ(ハナウドの仲間)が緑が支配する範囲を真っ先にひろげています。
雪の下で芽を出し伸びたウドザグは、雪解け直後だと陽があたらずまだ緑化しないで赤子の柔肌のような白い色のままです。雪解け斜面では、冬眠を終えたクマたちがこのウドザグの新芽を食べ活力をつけはじめているでしょう。すでに畑松沢では、旧子連れ(ふるごづれ・昨年冬に生まれた1歳以上の大きな子グマ)の母熊が確認されています。
あたたかお天気が続き河川敷も雪解けがいよいよ最終盤。本流に注ぐ支流沢の岸辺にはチャワンバナコ(キクザキイチゲ)の開花リレーが続いています。こちらが子供の頃よく唄った「♪♪春の小川はさらさらいくよ♪♪」の唱歌そのものの景色がひろがる4月の村です。
▼体も心もほんわかとなるそんな季節の日々だけに、それとは対にあるロシアによる残虐非道な侵略をうけているウクライナの人々の悲惨な現実に思いがおよびます。人の道に反するロシア・プーチン政権の行いは、人類社会の叡智によって遅くない時期に裁かれる時がくるでしょう。ウクライナが真っ当な社会を早く取りもどせるよう、世界全体から「侵略許すまじの声をさらに強めねば!!」です。