ブナの森の真夏を象徴するキノコ、トビダゲ(トンビマイタケ)が顔を見せ始めました。
いま採り頃、食べ頃となっているのは倒木や完全に枯れた根株に出るキノコで、どういう訳なのか完全に死に枯れた木は発生が早くなります。これは、ミズナラに発生するミャゴ(マイタケ)も同じです。
キノコの品質が良い半枯れ立木にも発生がみられる頃ですが、プロのキノコ取りの方々は「そちらの採り頃はもう2~3日経ったあたり」と語っていました。こちらが出会ったのもたった1本の倒れたブナに出ていたほんの少しの株だけ。
ミズナラに発生するナラトビ(オオミヤマトンビマイタケ・写真の茶色のキノコ)も、次から次へと顔を出して、耳たぶのようにぷくぷく軟らかい幼菌を少しいただいてきました。
林の中には、ポツリポツリとチンダゲ(チチタケ)も。手のひらの上で折ったら、真っ白な乳液がジワッと滲み出てきました。名前そのものずばり、まさにこれはチチです。
トンビマイタケの幼菌は、手を触れる前は真っ白、あるいはクリーム色ですが、採った後、何かに触れるとそこはたちまち黒くなってしまいます。一方のオオミヤマトンビマイタケは軟らかな幼菌でも変色なし。二つを並べた最後の写真で、その違いがよくわかります。
ブナの森の渓谷を歩いたら、雪崩落ちた雪がまだ川原に残っています。数十年この谷を歩いていますが8月に残雪があるのははじめてのこと。真夏日、猛暑日がこんなに続く中でも解け終わらずに雪がある。過ぎた冬がいかに降雪量が多かったかを物語るこれは豪雪の一つの証でもあります。
残雪の脇にはアザミの新芽やフキノトウが見られます。雪のそばはまだ春というわけです。
ナタで雪塊を切取り胸のポケットに入れたらその気持ちのいいこと。家に帰ってもしばらくその塊は解け終わらずに形を保っていました。雪塊というより氷のように圧縮された塊だったからです。
▼今朝、田んぼへ1回目の病害虫消毒を行いました。稲株もあんまりの暑さでくたびれているようですから、ここ3日間ほどは水をかけ流しのままにしています。