新じゃが芋が食べられるようになってしばらくたちました。
子供の頃の暑い夏の思い出には、農家出身のみなさんなら「じゃが芋掘り」もきっとあるでしょう。
じゃが芋栽培にはそれぞれの家によって品種選びに特徴があり、それは大きく二つに分かれるようです。一つは芋が丸い形の男爵系、もう一つは細長い形のメークイン系。
我が家は昔からメークイン派。今年はそれに赤く長い芋(メークインの仲間のさつまい芋のような芋)も加わりました。今年の芋の出来はまずまずのようです。種を蒔き手入れをし、味噌汁をはじめ毎日の食卓に必ずつかう妻は、まずまずの作況にうれしそうです。
遠くアンデス、ペルーの高原からヨーロッパを通じて江戸の時代に伝来したといわれるじゃが芋。これがもっと早くに伝わり栽培が国内にもっと広く普及していたら、藩政時代のあの飢饉による被害などもより軽減できたかもしれません。
このじゃが芋、秋田や村ではいつ頃から栽培がはじまったのでしょうか。とても貧しかった子供時代の我が家、じゃが芋で空いたおなかを補った思い出や、母の実家で火棚と※弁慶のある囲炉裏のアグ(灰)を掘って焼いた時のじゃが芋の思い出もあり、お米と同じようにじゃが芋にはほかの作物とはまた別の深い愛着が湧きます。
ヨーロッパやロシアなどでは麦とともにじゃが芋を主食としている国もあるようです。芋は、麦、とうもろこし、大豆と同じで、人間にとってなんともありがたい必須の作物なのですね。
※弁慶(カジカやウグイ、イワナなど串焼きの魚を突き刺し燻しておいた藁の道具)串を刺した形が、立ち往生の弁慶の姿に似ていることから名付けられたらしい)