カブトムシも羽化

先日ボンアゲズやゲンジボタルの羽化のことを少し記しましたが、昆虫たちの羽化はその後も続いていて、虫たちとのいろいろな出会い場面があります。

きのう出会った羽化最中の昆虫はカブトムシ。畑作物用として積んである堆肥のそばに妙に輝く黄色の大きな虫がいると思ったらそれはカブトムシのオス。羽化して堆肥から抜け出したばかりの姿なのでした。

堆肥の中にはほかにも所々にまるい穴が空いていて、その穴すべてにカブトムシの角が見えます。羽化真っ最中というわけです。春先に、畑作りで堆肥を掘り返していた妻が「コエ(堆肥)のながさ(中に)、ゴドゴドムシ(カブトムシの幼虫)、えっぺぇえる(いっぱいいる)」と言っていましたが、そのゴドゴドムシがいま羽化し始めたのです。

羽化を終え穴から出て5時間ほどたった成虫も、堆肥のそばの花苗の根元でそっと休んでいました。夜になったら飛びだすのでしょうか。

▼その堆肥が使われた畑にまつわることでは、先日こんなこともありました。やっとその畑で獲れるキュウリを食べられるようになっていますが、朝にキュウリをもいできた妻が「ほらッ」と見せたのはキュウリそのものから葉っぱが出ている姿。生物は、何かの作用でこんなことが稀におきるもの。生きものの世界は不思議に満ちあふれています。

▼7月に入り、北海道東部沿岸からの高気圧の張り出す日が多くなります。奥羽山脈が壁となりその気流を遮るため、県境の尾根筋には厚いダシ(霧)が流れ続けます。ダシはフカゲとも呼ぶ東風によって生まれ流れる霧のことです。

もう少し経ってオホーツク海からの気団が強くなると、この気団から生まれるダシ、フカゲの冷気が7月半ば頃からの稲の穂ができる準備期間の生育に影響を与えます。その影響が大きいと、時々北東北地方太平洋側は冷害となり、その冷気が奥羽山脈を越えて吹きつけると日本海側の山間部も冷害がひどくなります。

気団は今はこのとおりただのダシ、フカゲ。その霧には時々夕日があたって虹ができたりして「おっ、きれいだなッ!」などとながめるだけで済んでいます。が、一方でこのダシ、フカゲを目にする農家は、今月半ばから下旬に強いオホーツク気団が流れこまないことをお天道様に願う日々ともなるのです。