4日、集落の友人の方(元マタギ)が立ち寄り、村内柳沢地区の里山に山菜採りに入ったら、「クマがサグ(エゾニュウ・シシウドの仲間)の茎を食べた跡がいっぱいあった」と語り、「大声を出し、クマを遠ざけるようにした」と伝えてくれました。
こちらもおととい、童たちの大好きな山菜を採りにその柳沢と隣接する沼ノ又沢に向かったら、やはりクマがサグを食べた跡が随所で見られました。
この季節、冬眠明けのクマが最も多く食べるのがエゾニュウで、彼らは茎の根元部分をとくに好んで食べます。クマにとって深山のネマガリタケノコが出るまでの間は、里山や深山のエゾニュウは主食みたいなもの。茎の食べ跡が見られるところでは近くにクマがいる確率がとても高く、要注意です。
4日から5日にかけ柳沢地区では、4頭のクマがほかの山菜採りなどに目撃されていて、目撃した方たちの談によればそのうちの2頭は若子(わかご・今年生まれた子グマ)1頭をもつ親子。ほかの2頭は大きなオスらしいクマで、1頭はとりわけ大きい体だったとみられています。若子連れの母熊は冬眠穴のすぐそばに出て子グマとともに外での活動をはじめたばかりの様子です。古子連れ(ふるごづれ)と違い若子連れは天気が悪かったり夜になれば冬眠穴に入り、まだ出たり入ったりを繰り返しています。
里山の狭い範囲でオスグマ2頭もが子連れの母熊のすぐそばで目撃されたということは、生殖行為のためにメスグマの存在を意識した行動のはじまりといってよいのでしょう。子連れの母熊、メスを求める大きなオスグマ、同じクマでもこれはわれわれにとって極めて危険度の高いクマです。
今も彼らはそれほど離れない場所に生息していると思われます。椿川手倉から岩井川の柳沢地区から馬場地区、沼又地区の集落すぐそば里山へ入る方は目撃されたこれらのクマにとくに用心してください。
▼さて、クマのそんな食べ跡があるほどの里山斜面ですから、いよいよ山菜もシーズン本番入り。おとといは、ウルイ(オオバギボウシ)の初モノをごちそうになりました。
ヒラ(底雪崩)の落ちた谷には相変わらず大量の雪がかぶさり、雪の橋、雪のトンネル状態が今年はしばらく続きます。おかげでこちらは川を越えるのがとっても楽。
川のそばにはニリンソウの群落が花盛り。豪雪の村ですから、カタクリも残雪の脇で新芽を出したばかりの様子がまだまだ見られます。