我が家の冬の暮らしをささえる薪ストーブ。15畳間のエドゴロ(居間)でとる暖房だけでなく、あらゆる煮炊きやお湯沸かし、そして洗濯ものの乾燥など薪ストーブは今冬も大きな役割を果たし続けています。
10年前の東日本大震災で停電の時、電気炊飯器が使えなくなっても暖房をはじめご飯などの炊事で薪ストーブは代役を果たしてくれました。炎から常々感ずる人肌にやさしい暖かさだけでなく、「さあ、困った、有事だ!」という時も薪ストーブは貴重な熱を伝え続けてくれます。
真冬の今は、塩蔵していた山菜やキノコたちが次々と食卓に上がる時。これら山の幸の鍋物、煮物にも薪ストーブは欠かせません。ほんの10年ほど前までの我が家なら、狩猟で捕獲した野の生きものたちの大鍋をつかったドンガ汁(骨と肉をぶつ切りにし、白菜や大根、ゴボウなどとともに煮込んだ鍋料理)にも、火力の強い薪ストーブは欠かせぬ器具でした。
昨年から今年にかけてのコロナ禍では、部屋の換気や湿度への心がけもよくいわれます。昔式住宅の我が家の居間は、四方が障子戸なので隙間だらけ、それにストーブの上には常にお湯鍋が載せられていて蒸気が上がりっぱなしですから湿度も換気も十分です。ウィルスにとってはあんまり居心地がよくないようで、これも薪ストーブの利点ということができるでしょうか。利といえば二酸化炭素の削減にもエネルギー部門で薪は小さな役割を果たしていることになります。木を切る、割る、積む、運ぶの作業は難儀ですが、薪にはこのように多くの利もあるようです。
▼この先一週間の天気予報には曇りと雪マークがきれいにならびました。それだけに、今朝の澄み切った青空と、県境の尾根から7時40分頃に顔を出したお日様をありがたく見つめました。またしばらく朝からのこんな陽射しと青空はやってこないでしょうから。