夏キノコもそろそろ終わりのシーズン

季節の移ろいを肌にふれる風で感じ取った昔人は、「盆過ぎれば秋風吹く」といいました。確かに夜朝は涼しくなり、かすかに秋風を感ずるものの、先週に続き今週も真夏日が続くようです。

そんな中、訪れた里山では、シーズン終わりを告げるホウキタケの仲間ハギモダシ(ハナホウクモドキ)の二番手発生株がありったけに生長し、私が再度行くのを待っていてくれました。

このキノコ、今年はほぼ平年並みの発生量で、これから顔を出す株はあるものの、シーズン盛りは終えようとしています。

そばには、これも夏キノコの代表格アカヤマドリが、採り頃、食べ頃のいい形で顔を出していました。

ハナホウキモドキは早速いつものように味噌汁の具にしたり、ナスとあわせて炒め物で毎日ごちそうになり、残りは冬のおでんや煮物用に塩漬けです。アカヤマドリは、刺身風や一夜味噌漬けでいただきました。

先日採ってきたナラトビ(オオミヤマトンビマイタケ)の幼菌は、一夜味噌漬けなどを楽しんでいます。これまでは食材としてはそんなに値のないキノコとしてきましたが、肉厚の幼菌は「山のアワビ」のような食感があり、炒め物をふくめ味付け次第では「優れた食菌」の仲間入りになるとして、私の格付けは評価を高めに変えました。

稲穂の多くが傾きを見せるようになった盆を過ぎた村。キノコの世界は秋の立役者達が地面のなかで顔出しの準備を始めているでしょうし、農家も、心始末を夏から秋の準備へと少しずつ取り替えようとしています。