春の農繁を終えたので、この季節になると毎年通い続けている須川高原へ日曜の午後向かいました。
夏のような天気が続き、残雪に新緑が映える季節ですが、県境・須川高原にある岩手、秋田の二つの温泉宿泊施設はコロナ禍により休業中。標高1100㍍ラインの温泉と高原の新緑、残雪の景色を楽しみに訪れる方々にとっても残念無念、また、温泉宿にとっては最大の稼ぎ時なのにこれも残念無念、閉鎖されている二つの施設を目にすると、どこにもむけられない言いようのない思いが何度も何度も湧いてきます。
高原では、県道仁郷大湯線が早く開通しているので須川湖へも車で行けます。雪解け水により一年で湖の水位が最も高くなる季節ですから、満々と水を湛えた湖面にブナの新緑と残雪多い村最高峰の秣岳(1424㍍)の稜線が映え、それらがお互いを引き立たせて絶景を見せてくれます。
高原でいま花の咲き始めの樹は、須川高原の春を象徴するタムシバ。栗駒山荘が営業されていれば、露天風呂の眼下にのぞむ群生地があり、周囲湿原のミズバショウとならんで花盛りです。タムシバの白色の花はちょうど高原のシロヤシオツツジと同じで、群生の箇所で花数が多いと初めて訪れる方なら遠目では残雪と見まがうほどです。
須川高原温泉の県境露天風呂そばにある大日岩の脇には花色のちがう二つのミネザクラが満開で人目をひきます。高原のイワナシの花はもう終わり寸前、帰りには仙人水をたっぷりとボトルにつめてきました。