自然、とくに植物の世界がいつもの年よりも10日ほど早くまわっている感じの今年の村。
過ぎた日曜日、息子が「じゅんさい」を少し摘んできていたので、こちらも「まだ、いくらなんでも早いだろう」と思いながらも、触発されて向かってみました。
やはり摘み頃盛りにはまだまだ。あっちで少し、こっちで少しと、初物をごちそうになれるほどをなんとか摘み、湿地に棲むいろんな蛙の鳴きを聞き、愛し合うトンボを眺め、ランやスゲの仲間が花咲きはじめた静~かな景色のなかでひとときを過ごしました。
村では、すでに転作作物として「じゅんさい」をつくる農家もおります。天然モノのじゅんさいがこのように極めてよく育つ村ですし、水も豊かな村です。夏冬通して農地に水が途切れない条件は必要なので栽培地はやや限られますが、リンドウと同じように栽培の適地だけに極めて品質のよい「じゅんさい」が村では採れます。前述の農家がつくる「じゅんさい」も、見目、形、おいしさと、なかなかのすぐれモノでした。
「荒れた農地、そのままにしておけば荒れる農地にワラビ植え付けを」で村のかなりの農地(水田転作だけで約15㌶)が有効利用されています。特産のトマトやリンドウなどの作付けを奨励拡大するとともに、それと同じように、他の山菜や野草、薬草、「じゅんさい」などにも目をむければ、こちらにも農地の荒れを防ぎ、復元する役割を果たしてもらえそうです。人工の「じゅんさい沼」は、ある程度の水深を保てば雑草がほとんど生えないという特徴があります。広い面積でも除草しなくて済む、それで作物がとれるというだけでもこれは助かります。
こうした作物、いずれも中国産が国内市場ではハバをきかせているようですが、安心安全な国産のいいモノは必ず評価されます。豪雪の村の「じゅんさい」は、他の山菜と同じように国内ナンバーワン、ということは世界ナンバーワンの品質といってもよいでしょうから。
ただし、「じゅんさい」はご承知のように水深をやや必要とする沼状の土地が必要。栽培地を簡単な沼地へ造成するには重機、バックフォーの力も必要です。「じゅんさい」栽培のこと、昨年もなんだか記したような気がします。