ゲンジボタルの生息環境保全へ努力を

先月の30日、「東成瀬村ホタルの会」のゲンジボタル生息状況検討会が開かれました。

今夏のホタルの発生状況や活動について意見を交わし合い、それにもとづき来年の活動をどうすすめるかを語り合う集いです。

会では毎年、ゲンジボタルの発生状況について村内の10数箇所を定点観測地とし、会員がホタルの生息状況を観察、それが会のデータとして蓄積されています。今年は、15箇所の観測地でホタルの棲息が確認されていますが、前年比で確認匹数が増えたのは4箇所。

数年間の推移をみれば生息数の減少が顕著です。生息環境の適応範囲がひろいヘイケボタルに比べ、水路など流れのある環境をより好むゲンジボタルの生息環境が年々狭められていることが、生息数減の最大の要因とみられています。自然環境など減少の要因はほかにもあるでしょうが、それはよくわかりません。

人為との関連で最適な生息環境が少なくなっている最も大きな要因は、田んぼに引かれる用水路への側溝布設のようです。

村の条例はその最初の総規で、村の木は秋田杉、村の花は山百合、村の虫はほたる、村の魚は岩魚、村の鳥はやまどりと定めています。ホタルは、人里と自然が調和した「最も美しい村」を外に向かって発信するうえで象徴の一つとなる存在です。それもあり、増殖施設建設などをふくめ村は力を注いできました。今後は、こうした村の「宝」といえるゲンジボタルをまもる方策について、村民全体の叡智をあつめあうことが必要と思われます。

この点で、行政のやらなければならないこと、農家や村民の努めなければならないことなどをよく検討し、語り合い、「ゲンジボタルをまもるために、できることは何か」を真剣に探究する必要に我々はせまられているといえます。なにしろ「ゲンジホタル」は、条例総規にもうたわれる村の大事な象徴ですから。

ホタルの会は、ゲンジボタルのエサとなるカワニナの生息環境保全が大切ということも認識しており、それに向けた活動に意を注ぐことが深く話し合われました。

写真は、今年6月30日に100匹以上(今年の村内で最大)のゲンジボタルの乱舞が見られた岩井川上野野田地区の農道沿い水路です。ここの用水路は、ホタル保護のうえで農地関係者の理解・協力があり、コンクリート側溝が布設されていません。それが、村内で最も多くゲンジボタルが棲息している大きな理由のようです。関係者の理解はありがたいことですね。

▼12月6日で早くも「豪雪の村」の名にふさわしい積雪(我が家で1㍍をこえたでしょう)となりました。1回目の屋根雪下ろしをされる方は、要注意を。それに、気温が緩めば雪崩や法面の雪落下にも注意を。いっきに多くが降った後はとくに危ないですからね。