産業祭・ 村創立130周年記念式典

村創立130周年記念式典が26日午後4時から「ゆるるん」で行われました。次のような内容でご挨拶を申し上げ、130年の歴史を讃えました。

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東成瀬村という名をかかげて創立130周年の祝賀の日をむかえられたこと、村民のみなさんとともに心からのお祝いを申し上げます。

村として130年の歴史を築く上で私たちが学ぶべき最大の教訓は、戦後すぐに制定された憲法第八章にうたわれる地方自治の本旨を、村は何よりも大切にしてきたというところにあると思われます。

実は、この自治の精神を大きく揺さぶる出来事が、戦後の歴史には二つありました。一つは昭和28年10月施行の町村合併促進法と昭和31年施行の新市町村建設促進法にもとずいて進められたいわゆる「昭和の合併」です。この時、つまり昭和28年4月に全国で9,761あった町と村が、わずか3年で3,477に激減しました。現代政治史の最大出来事の一つといえるその激動時に、わが村は「地域の特殊性を考え、自立の道を選ぶことこそ村民福祉の向上につながる」として、自立の村を決断しました。

自治が次に大きく揺さぶられたのは、我々の記憶にまだ新しい平成の市町村合併です。 平成16年の合併特例法施行時には全国の町村数は2,405でしたが、2年後には1,041へと半分以下になりました。このときも、わが村は、村民、当局、議会が、一致して自立の村づくりを決断しました。村当局と議会は、あらゆる機会をとらえて自立の方策を探り、自立にこそ村の振興と発展の道があるととらえ、村民への啓発にもつとめました。

明治22年の市町村制施行時には15,820の町と村がありましたから、昭和、平成の大激動を経て、地方自治の枠がこれだけ大きく変化した中で、東成瀬村として130年の歴史を祝えることの意義は、なおいっそう大きいといえます。

130年の歴史の大半は、自立を確かなものにするための奮闘の日々でもあったといえます。それだけに、自立決断時の勇気だけではなく、自治の精神に沿った周到で粘り強い村づくりが、村民にも、村政を託された執行当局にも、議会にも、強く求められる歴史でもありました。

その結果、産業振興、生活環境整備、医療、福祉、教育・子育て、文化など、村づくりの柱となる住民福祉の向上策は、時々の総合発展計画と過疎法による計画などに基づき着実に推進されました。大筋において「隅々にまで、住民のくらしをささえる政治の光が差し込む」自治の本旨がよく体現されている村をつくりあげて来られたことは、村民の誇りであります。その成果を築き上げられたすべての先人・先達のご尽力に、議会としても心からの感謝と敬意をはらうものであります。

創立130周年が、令和元年というお祝いの年に重なり、その慶びはなおひとしおでありますが、あわせて、この機会を私たちは新たな決意で歩みを進める節目の年にしなければとも思います。「変革、改革なきところに進歩なし」とよく言われます。今後の村づくりにおいても我々は常にこのことを自覚し、現状に甘んずることなく見直すべきは大胆に見直しながら、孫子の代が安心して暮らせる持続可能な村政の道をつくりあげなければなりません。そのために、議会もいっそうの努力を怠らないことをここにお誓いし、お祝いの言葉を結ばせていただきます。本日は、まことにおめでとうございました。

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▼時折の陽射しに里山の紅葉が輝いたこの日は、第52回目の村産業祭(物産まつり)も行われました。自然景観の美と、よく耕された田んぼや農地が調和した美しい村を保つためには、ものづくりの象徴ともいえる農業、とりわけ村の場合は稲作との複合経営がカナメです。受賞のみなさんに学ぶことの大切さを強調しながら、表彰された方々を讃えご挨拶といたしました。

高位賞授与のみなさんのなかには、元議員や現議員のみなさん、農業委員会で活動を共にした方々、定時制高校で共に学んだ先輩や同級生たちなどが多くおられ、うれしさがいっそう増しました。

物産の展示会場には、村の生涯学習教室の方々がつくられたつる細工、陶芸、御殿まり、編み物などの作品がならび、世界最大級の磨製石斧が発掘された上掵遺跡からは、ことし掘り出された高さ70㌢ほどの縄文土器も展示されました。石斧のレプリカも。

創立記念では、記念コンサートと祝賀会があり、翌27日には、プロ棋士谷口由紀女流二段を迎えての山百合将棋大会と子ども将棋教室、懇親会へのご案内もいただきました。

記念式典を祝うコンサートではダニエルコフリンさんによるギター演奏の音色がすばらしく(とくにオリジナルの2曲)、後にCDを買い求め、早速就寝前の枕元で聴いております。ダニエルさんは、わが村と同じ「日本で最も美しい村連合」に加盟している福島県大玉村ご出身。素敵な演奏をありがとうございました。

式典では、村出身の漫画家高橋よしひろさん、詩人の佐々木桂さん、ソプラノ歌手の長谷川留美子さん、首都圏なるせ会会長の冨田秋雄さん、元地域おこし協力隊員の佐藤喬さんの各氏について村のPR大使を引き受けてくださることが紹介され、後の祝賀会でも式典にご出席していただいたみなさんを囲み楽しいひとときを過ごし合いました。

この日は、村に建設されていたFMあきたのラジオ放送中継局設備が開局となり初電波が流れました。また、佐々木謙吉副議長が消防団長などの活動で、高橋健議員が議員活動で村の自治功労表彰を受けるなど、お祝い事がさらに重なった一日でした。