赤滝神社解体される

赤滝神社がきのう解体されました。滝と神社に長年通った者の一人として、元神社だった建物を眺められるのはこれが最後の日。解体の様子を少しの間ながめ、前後左右から神社であった建物を写してきました。

「赤滝神社を保存する会」の立ち会いのもと、古くから神社となじみの深い元桧山台集落出身の建築業Mさんの手によって解体作業は手際よく進められました。

社の中にある装飾物や奉納物などのうち、とりあえず保存しておくべきと判断されたものは、去る4日と19日にすべてほかへ移されていました。

したがってこの日残っていたのは、元神社だった建物だけ。天井裏から「棟札などが出てくるだろうか」との淡い期待もありましたが、結局それらしいものは何もでてきません。何かの文字が書かれているらしい薄い板が天井の柱に打ち付けられていましたが、われわれには判読はムリ。それも寄せられて一時保存物の仲間入りです。

神社は、創建当初から何度も改修を重ねられています。真冬に撮った赤滝神社の写真をご覧になっていただければおわかりのように、毎年3㍍以上の豪雪で、雪下ろしが一度もされないのに長年つぶれずに雪の重みに耐えてきた神社。建築材も丈夫なものが用いられ、工法もすべて堅い造りので、解体は並の建物のようにはいかず、業者さんは汗をとばしながら渾身の力でバールを駆使していました。

建築材の中でも目視で最も古いと思われるのは木製の土台。「クリの木だろう」とMさんは語ります。それは創建時の土台なのか、興味をひかれました。

来月中旬にはダム堤体の打設式典が行われる運び。神社の周囲すぐ近くまでダム関連工事は進み、木々の伐採もだんだんと赤滝のそばに近づいています。この日の神社解体後、境内の木々もまもなく伐採されるとのことで、赤滝らしい景観を眺められるのはあとわずかの日数しかないようです。

訪れたついでに、ここ10数年、春、夏、秋、冬と眺めつづけた滝壺脇の太い歴史もののシラグヂツル(サルナシ)を「これが最後のご対面」と写しておきました。滝頭の赤い岩の上に咲くほんのわずかのリンドウが花盛り。背景にはダムプラント工事の大きなクレーンのアームが3基にょっきり。これは緑のなかで目立ちます。