新緑の山里に子ら走る

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CIMG9721-1CIMG9725-1CIMG9722-1CIMG9732-1やや強い風があったものの、晴天に恵まれたきのうの小学校運動会。

第3週の日曜ということもあり、田植えシーズンの本格開始を来週末あたりにひかえる村内農家にとってもこれはありがたい開催日程。耕起作業を終えた農家のみなさん(とくに農作業の中心担い手である祖父母の方々)も、昨年と同じように気持ちゆっくりで孫たちに声援を送っているように見えました。

機械化農業の時代とはいえ、農山村の運動会は、田植えシーズン前の今回のような日程、ほぼ5月20日前頃までには開催が好評のようです。とくに応援にかけつける農家の方々にとっては、です。

里も深山も草木は芽吹きを終え深緑、成瀬川の雪解け水もほぼ安定した流れとなり、人事異動などでせわしかったはたらく人々の心も落ち着いてきたこの季節。平和で、こんなに緑いっぱいのなかで運動し、グラウンドでの昼食、幸せってこんな様子をいうのでしょう。

ところで、千葉大学名誉教授の三輪定宣氏は「高い学力で知られるフィンランドは1校あたり101人、フランス99人、イギリスは190人。日本は322人で異常に過大です。これらの国では、1学年1クラスが標準で、クラス替えはなく、みんながクラスの垣根を越えてよく知り合え、人間関係も深まり、人間らしい発達と豊かな社会性が育ちます。(中略)世界保健機関(WHO)も人間的教育を保障するため、『100人以下』の学校規模を勧めています(以下略)」とある新聞に談話を寄せています。

少し長く引用しましたが、学校での人間的教育を保障するには「100人以下」規模が最適なのだという人類が到達した教育科学の理論に確信をもった方がよいだろうということで引きました。教育でのあらゆることを考えれば、我々が小規模という学校こそ、最適の規模なのだということです。全校児童120人余、学校の規模としてはほぼ最適といえる員数のもとで村の子たちは、学びも運動も芸術・文化活動にもあふれるような個性の輝きをみせがんばっています。義務教育段階はこれが最適なのです。

子どもの数が少なければクラブ活動などの選択肢が狭まるなどという意見も根強くあります。しかし、学校規模が大きくなることによって、教育が本来めざすべき目標獲得が逆にむずかしくなること、それによって失われるものの大きさにこそ気づくことが必要ではないでしょうか。結局、何に最も重きをおいて学校規模を考えるかということなのでしょう。

村は、小、中ともにまったくの「適正規模」学校。今後当分は新入生の漸減傾向があるようですが、ほぼこの規模を維持するために、地方創世をかかげる国や県にやるべきことはしっかりやってもらい、村でできることにはさらに努力しなければと感じた一日でした。

▼15日、県町村議会議長会理事会で役員改選があり、現職全員の再任が決まりました。