森の精(きのこ)次々登場

去る31日、9月議会の準備をしていての合間に自宅そばの里山を1時間ほど散策。

夜朝の涼しさが増してきた森では、いろんなキノコの仲間たちが顔を見せるようになっています。

まず最初にご紹介するのは薄紫色のネズミハギモダシ(ウスムラサキホウキタケ)。地面からむっくりむっくりと、サンゴ状の豊かな塊を見せ始めています。まだ幼菌ですから「もう一週間ほどしたら採り頃になる」とそのまま(見置き)にしてきました。「山(山菜やキノコ)の見置きと、アネコ(年頃娘)の見置きはアデにならねぇぞ」というユーモアたっぷりの昔からの言い伝えがこの土地にはありますが、ここの「見置き」はこちらしかわかりませんからだいじょうぶです。

ネズミハギモダシは、ホウキタケの仲間では最も肉厚の種で、成菌になれば姿も大きくボリュームがあり、食通の間では「山のアワビ」にたとえられるほどの特徴あるキノコです。大発生した時の菌列はお見事で、何年かに一度、そんなうれしい場面を見せてくれます。私は3箇所しか発生場所を知らない、出会いの限られるきわめて希少な食キノコです。

お次は度々登場のピンクのハギモダシ。我が家や村の一部きのこ通の方ならよく食べているハギモダシ(ベニホウキタケ・ハナホウキタケ?ガイド本では毒種あつかいのキノコ)はいよいよ真っ盛り。

このキノコは、8月半ばから9月半ばにかけて我が家の食卓に上がり続けます。前述のネズミハギモダシとともに塩蔵もされ、冬のおでん料理などにもよく利用されます。

森には「それ1本を食べただけで命を落とすことも」といわれる明らかな猛毒種、食不適種も含め、姿形、色様々なキノコがほかにも顔ぶれを多くし始めた季節です。もう暦は9月入り。私の季節巡りも、花を愛でる山からキノコを愛でる(採る、撮る、眺める)山巡りへと、少しずつ秋色を濃くしてゆきます。

ところで、30日に載せた最後の写真のキノコについて「あれは、何というキノコ」との問い合わせがありました。あれは「キアシグロタケ」という名のキノコです。ジェンコシナダケ(オツネンタケモドキ)やアシグロタケと同じように、乾燥してうどんやそばの出汁に用いられるキノコです。

私は、そのまま繊維を絶つように横切りして食べやすくし、炒め物などで歯ごたえを楽しむキノコです。アシグロ族は、オツネンタケモドキよりも旨味はかなり落ちます。最後の写真が、そのキアシグロタケです。