雄勝中央病院の運営委員会

今年2回目の厚生連雄勝中央病院の運営委員会がきのう開かれました。

市町村長、議長、JAの理事や女性部長で構成される運営委員会議では、入院、外来、保健活動、訪問看護など病院の医療活動などとともに、経営の現状と計画が病院や厚生連の役員さんから毎回詳しく説明されます。

おとなりの県のように地域に県立病院のない秋田の場合は、県立病院の役割を果たしているのが厚生連の各病院といえます。厚生連のみならず県内医療の最大の課題は「医師不足、医師の偏在、必要な診療科目の体制不足」とされています。

病院そのものにとっては医師不足イコール「経営」が大きな課題でしょうが、医療に対して地域住民がもつ最大の関心事、心配事は「必要な医療が、なるべく近くで(妥当な医療圏域の枠のなかで)安心して受けられるかどうか」なのだと思われます。経営面と共に、必要な医療が安心してうけられるかどうか、医師不足はその両側面からみなければなりません。

医師不足は、大都市や県都などをのぞけば全国どの地方でも同じ課題をかかえていると思われます。しかし、経営の面では、秋田県の医療体制とそれへの財政支出は、その点で東北の他県とくらべてどうなのか(各病院の施設更新などでは相応の県支援がされましたが)、あるいは厚生連が県立病院的役割を果たしている全国の他の県と比べて秋田の場合はどうなのか、そうした長期のスパンたとえばこの過去半世紀単位の物差しで他県と比較してみることも必要でしょう。

同じ県内でも医師の偏在や、人口の偏在ということもあり、それらが負の地域とそうでない地域をならべて単純な「赤字、黒字」の経営数値の比較だけでは深い課題背景がとらえきれません。厚生連は公立病院的役割を果たしている医療施設ですので、様々な条件・制約で、いかに努力しても赤字が必然のところ、逆に黒字のところがあるわけで、厚生連全体の経営としてとらえるという視点が我々には必要と思われます。

いずれ、医師の「意思」という就労選択の自由とは別の次元で派生する医師不足の解決については、やはり県に施策の不十分さがあれば県がそれをより充実させ、究極は国が政策転換を図らなければ解決しないものと、こういう分野に疎い私ですが、そういう感想をいつももちます。そのために、議会としてできることにはひきつづき力を尽くしたいと思います。