オミナエシは「盆ばなこ」、アキアカネは「盆あげづ」と、生き物や花に「盆」の字をあてがった村の人々。
盆アゲヅやクルマアゲヅ(ヤグルマトンボ)など多くのトンボの仲間はとっくに羽化しました。もっとも遅くに羽化したヤマアゲヅ(オニヤンマ)も、なわばり?のなかで上り下りの飛翔を繰り返している季節入り。ヤマアゲヅを大将に、昆虫界の制空権はかれらトンボ一族に握られているように思われる盛夏です。
盆バナコ(花こ)も、7月下旬になったらわが集落でも咲き始めました。我が家の台所裏側の法面は小さな花園。妻は炊事をしながら、家族は食卓をかこみながら、春から秋まで窓越しに咲く花たちをながめます。
そこに群生する盆バナコは、妻が40年ほど前に種を蒔いてから増え続けているもの。そろって群生するキキョウも、ちょうど同じ時期に種から育てられ増え続けた株たちです。
今の季節はそこにヤマユリも加わり、秋になれば野のリンドウも咲きます。
花のついでに、野の花ヒメジョオン?(帰化植物)の仲間とカタバミも載せておきます。いずれも雑草あつかいされる野草ですが、立ち止まってよくながめると、「美しい」の言葉をあてても的外れでないほどの花かたちですよ。
▼最後は度々ご紹介している私の散策コースにあるシラグヂ(サルナシ・コクワ)の蔦です。その実がようやくコクワらしくなっています。
野生のキウイと呼ばれ、野の木の実のなかではとびっきりの甘さをもつコクワ。実の多くは高所に生りますが、散策コースの蔦は手が届くところまで垂れ下がって実を結びました。これなら、秋に、童たちにもぎ取らせることもできそうです。